1秒間に約4000件の馬券取引を処理

15万人が熱狂する「ダービー」舞台裏 “通信の崩壊”を防いだIT部門の戦略

膨大なトラフィックが押し寄せる大規模イベントでは、ITインフラの突発的な「火消し作業」がたびたび発生する。ケンタッキーダービーを運営するCDIはいかにしてこの窮地を脱し、強固なシステムを構築したのか。

 毎年5月の第1土曜日、米ケンタッキー州ルイビルの歴史あるチャーチルダウンズ競馬場で、「スポーツ界で最もエキサイティングな2分間」として知られるメインレース「ケンタッキーダービー」が幕を開ける。その裏側では、高度に洗練されたシステムが稼働している。15万人を超える来場者のデジタル体験から、膨大な数のリアルタイムな馬券購入まで、ダービーのあらゆる要素を円滑に進行させるのがその役割だ。

 「競馬はわずかな遅延も許されないスポーツだ。馬がゴールラインを越えた瞬間、それを正確に知る権利が観客にはある」。ケンタッキーダービーの運営母体であり、全米でカジノやオンライン馬券販売などを多角的に展開するChurchill Downs(CDI)でシニアバイスプレジデント兼CTO(最高技術責任者)を務めるネイト・サイモン氏はそう語る。

 常設設備と仮設設備を組み合わせたネットワークは、ピーク時の膨大なトラフィックを処理し、高い信頼性を確保しなければならない。1週間に及ぶイベントの拡大にも適応する必要がある。CDIは近年、ITインフラを刷新するためにCisco Systemsと提携した。ファンが技術の存在を意識せず、レースの興奮にのみ集中できる環境を、標準化と自動化、予防保守によっていかに実現したのかを見ていこう。

1週間にわたる祭典を仮設設備で乗り切る

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