Wi-Fi 6の拡張版であるWi-Fi 6Eによって、スポーツ観戦で無線LANの新たなユースケースが生まれている。どのように活用しているのか。
無線LAN規格の「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)の拡張版である「Wi-Fi 6E」を屋外で利用する動きが広がっている。
例えば、メジャーリーグベースボールチームのサンフランシスコジャイアンツ(San Francisco Giants)やブリガムヤング大学(Brigham Young University)、アミューズメント施設の運営会社Cedar Fair Entertainment CompanyなどがWi-Fi 6E準拠のネットワーク機器を導入している。Wi-Fi 6Eを屋外で利用できることで、無線LANのどのようなユースケースが実現するのか。
Cedar Fair Entertainment Companyで最高情報責任者(CIO)を務めるタイ・タステペ氏はWi-Fi 6Eについて次のように語る。「Wi-Fi 6Eを導入したことで、アミューズメントパーク内の乗り物の待機列が混雑しても接続が安定した」
サンフランシスコジャイアンツのホームスタジアム「オラクルパーク」(Oracle Park)や、ブリガムヤング大学のキャンパス内にある屋外陸上競技場「ラヴェル・エドワーズ・スタジアム」(LaVell Edwards Stadium)ではネットワーク機器ベンダーExtreme Networksが提供するWi-Fi 6Eに準拠した無線LANアクセスポイント(AP)の「AP5050」シリーズを採用している。
ラヴェル・エドワーズ・スタジアムでは、Wi-Fi 6Eによって以下のメリットが得られたという。
ラヴェル・エドワーズ・スタジアムのアソシエートアスレチックディレクターを務めるケーシー・シュタウファー氏は次のように語る。「Wi-Fi 6Eによって、スタジアムのユーザー体験(UX)が変わった。これらが、ファンがスタジアムに足を運ぶ原動力になることを期待している」
Extreme Networksの最高技術責任者(CTO)と最高製品責任者(CPO)を兼務するナビル・ブハーリー氏は次のように語る。「屋外環境で6GHz帯のWi-Fiを使用すれば、受信エリアを拡大できるだけではなく、新しいサービスを生み出せる可能性がある」と話す。
ブハーリー氏によれば、観客はスタジアムの中だけでなく、スタジアムを少し出たところでもWi-Fiを利用したがっている。「例えば、Cedar Fair Entertainment Companyが主催するイベントの参加者は、どこにいても祖父母に子どもたちの写真を送りたいと考えているはずだ」
ブハーリー氏は続ける。「Wi-Fi 6Eでは一定の帯域幅と安定したネットワークを必要とする拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のアプリケーションも使用可能だ。Wi-Fiがミッションクリティカルなアプリケーションに利用できるようになる日はそう遠くない」
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