衛星通信サービスは組織の通信手段として重要度を増している。通信業界団体「GSMA」の調査で分かった、企業における通信インフラ調達の動向をまとめた。
「4G」(第4世代移動通信)より衛星通信――。通信事業者の業界団体GSM Association(GSMA)によると、組織はデジタル改革の一環として、衛星通信サービスの利用を重要視している。なぜ、「宇宙」に力を入れるのか。
衛星通信サービスを巡っては、衛星通信のさまざまな軌道の利用可能容量が増えたことで安定性や信頼性が向上し、活用の幅が広がっているとGSMAは説明する。衛星通信サービスの主な動向として、GSMAは3つを挙げる。
GSMAによると、2024年11月末の時点で衛星通信サービスを手掛ける世界の通信事業者(衛星に直接接続するか、1社以上の提携事業者を介して衛星に接続する独自の事業者)は99社だ。このうち、既にサービスを提供開始した事業者は19社、サービスを計画中またはテスト中である事業者は80社だという。
宇宙空間にある人工衛星の数が増え、衛星利用の可能性に関して企業や消費者の理解が深まる中、GSMAは、2025年から2026年にかけて衛星通信サービスの開始が相次ぐと予想している。GSMAによると、最初は地理的条件や衛星軌道に応じて1日数時間の部分的な提供から始まる可能性がある。全面的なサービス提供開始は2026年から2027年になる見込みだという。
特にGSMAが注目しているのは、Appleの動きだ。AppleはGlobalstarに総額15億ドルを投資することを明らかにしている。Globalstarはこの資金を使い、衛星の数を現在の31基から拡大するとともに、中継に必要な地上インフラも増強する計画だ。GSMAによれば、Appleの積極的な投資は同社が「iPhone」の衛星通信機能強化に力を入れていることを示すものだ。
Appleだけではない。Googleは衛星通信事業者Skyloとパートナーシップを組み、Skyloの衛星インフラを利用してスマートフォン「Google Pixel 9」シリーズに衛星メッセージング機能を搭載。緊急時の利用を想定している。
衛星通信サービス市場の成長にとって重要なのは、一般消費者よりも、企業向けの展開だ。GSMAの調査では、組織の約4割が「衛星通信サービスの利用は自社にとって非常に重要だ」と回答しているという。これは「5G」(第5世代移動通信)よりわずかに低く、4Gより高いとGSMAは説明する。
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