Dropboxが、AI搭載検索ツール「Dropbox Dash」に競合サービスとの横断検索を可能にする新機能を追加した。この動きの狙いと、クラウドストレージ業界全体で進む“新戦略”への移行とは。
Dropbox社は2025年4月24日(現地時間)、オンラインストレージサービス「Dropbox」の人工知能(AI)搭載検索ツール「Dropbox Dash」の新機能を発表した。Dropbox Dashは、Dropboxだけではなく、Microsoftのオンラインストレージ「Microsoft OneDrive」、Googleのオンラインストレージサービス「Google Drive」などと連携し、横断的に情報を検索可能だ。複数のコンテンツリポジトリ(コンテンツファイルのデータ群)を同時に検索したいと考えるエンドユーザーの支持を得た。
この新機能によって、デザインツール「Canva」やビジネスチャットツール「Slack」といったサードパーティーアプリケーションとの連携、テキストに加えて動画、画像、音声ファイルの検索が可能になった。Dropbox DashからCanvaの画像ファイルを検索したり、Slackのメッセージから関連情報を検索したりできる。
Dropboxが競合オンラインストレージサービスとの連携を強化する背景には、どのような狙いがあるのか。
調査会社Deep Analysisの創業者アラン・ペルツシャープ氏によると、Dropbox社やBox社、Egnyte社といったオンラインストレージベンダーが提供する同名オンラインストレージサービスは、それぞれ独自の市場を確立している。
ペルツシャープ氏の分析では、Box社とEgnyte社は法人向け市場に注力している。特にEgnyteは大容量のファイルを扱う建築家やエンジニアの支持を得ていると同氏は説明する。一方Dropboxは、個人ユーザーや小規模事業者向けとして認知されているサービスだ。
Dropbox Dashの新機能によって、競合他社との機能差は縮まりつつあるとペルツシャープ氏は指摘する。BoxやEgnyteは、自社アプリケーションやクラウドサービスの境界を越えた検索が可能だ。同氏はこれを、「コンテンツを囲い込んでいた過去の考え方からの『重要な転換』」と表現する。
ペルツシャープ氏によると、企業は全てのデータを1カ所に集約することが現実的ではないと理解している。「企業はデータをオンプレミスインフラとクラウドサービスの両方に分散させており、この状況は今後も変わらない可能性がある」と同氏は述べる。
DropboxのAI製品成長担当バイスプレジデント、モーガン・ブラウン氏は、「Dropbox Dashの開発理念は、アプリケーション同士をつなげ、情報を結び付け、断片化した要素を統合する接着剤になることだった」と話す。
ブラウン氏によると、一般ユーザーにとってはサービス連携の設定は煩雑だが、企業ユーザーにとっては、その手間に見合う価値がある。「チームや企業のために一度連携を設定すれば、従業員は生産性の向上や検索、コラボレーションの機会を享受できるようになる」(同氏)
Dropbox Dashの新機能は他に以下がある。
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