Boxだけじゃない 知っておくべき5つのドキュメント管理ツール2025年版ドキュメント管理ツール10選【前編】

テレワークの普及をきっかけに企業の「ドキュメント管理ツール」活用が進んだ。オフィス回帰、ハイブリッドワークなど働き方が多様化する中で改めてドキュメント管理の最適解を探る。

2025年05月23日 06時00分 公開
[Christine CampbellTechTarget]

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 企業は、テレワークの普及や増大するデータ量、拠点間のコラボレーション、厳格なセキュリティとコンプライアンス要件といったさまざまな課題に直面している。こうした課題に対処するために活用できるのが「ドキュメント管理ツール」だ。IT担当者はドキュメント管理ツールによって、ワークフローの自動化、メタデータタグ付け、権限設定などの機能を使い、ドキュメントの検索、分類、保存を効率化できるようになる。

 本稿は、企業が中央リポジトリ(一元管理)型でドキュメントを保存、管理するための主要ツールを紹介する。これらのツールは、アナリスト企業とビジネスソフトウェア評価サイト「G2」のユーザーから一定の評価を獲得したツールを厳選した。

Box

 「Box」は、クラウドベースのコンテンツ管理およびファイル共有サービスだ。主な機能として、ローカルストレージとクラウドストレージ間の自動ファイル同期や、チームコラボレーションのための権限設定などを備える。「Microsoft 365」「Google Workspace」「Adobe Creative Cloud」などの外部ツールとの連携も可能だ。

 その他、以下の機能も搭載する。

  • AI(人工知能)ベンダーOpenAIの大規模言語モデル(LLM)「GPT-4.1」との連携による、ドキュメント要約と保存コンテンツに関する質問への応答
  • Boxとの連携用API(アプリケーションプログラミングインタフェース)「Box AI for Metadata API」を利用したデータ自動抽出、エンタープライズ検索の実装、外部ツールとの接続

 提供形態はSaaS(Software as a Service)で、「Business」「Business Plus」「Enterprise」「Enterprise Plus」の4つの料金プランがある。14日間の無料トライアル期間が設けられている。

DocuWare

 「DocuWare」は、文書を取り込んで一元管理し、業務プロセスを自動化するドキュメント管理ツールだ。主要機能には、スキャナーやWebフォームなどのさまざまなソースからのドキュメント取り込み、文書タイプ別の電子キャビネットによる整理、プロセスやタスクを自動化するワークフロー機能などがある。

 独自のドキュメントビュワーはマウスホイール操作でドキュメントを閲覧可能で、XML文書を用いた請求書の自動処理機能、フォームの自動計算機能も備える。

 導入形態はクラウド版とオンプレミス版から選択でき、両方の形態で同一の機能を利用可能だ。30日間の無料トライアルが可能なデモ版もある。

Dropbox

 「Dropbox」は、クラウドベースのコンテンツ管理とファイル共有サービスで、ファイルをクラウドストレージに保存し、クライアントデバイス間で同期できる。クライアントデバイスにファイルをダウンロードすることなく、ファイルを閲覧、編集できるという特徴がある。ファイルの共有やコラボレーションの他、ファイルやフォルダレベルで権限を細かく設定することも利用可能だ。

 その他の機能は以下の通りだ。

  • 画像やスプレッドシートを含むドキュメントを自然言語で操作できる「Dropbox AI」
  • ファイルの整理や通知の送信などの定型的な反復作業を効率化するワークフロー自動化機能「Dropboxオートメーション」

 料金は4つのプラン(Plus、Professional、Standard、Advanced)に分かれている。その他、無料の「Basic」プランと「Enterprise」プラン(価格は要問合せ)も提供する。

Google Drive

 「Google Drive」は、クラウドストレージとファイル同期機能を提供するオンラインストレージサービスだ。オンラインストレージとクライアントデバイス間でのファイル同期に加え、ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションの共同編集機能を提供する。

 その他の機能は以下の通りだ。

  • AI技術を活用した、使用傾向と関連性に基づくファイル自動整理機能
  • ファイルやフォルダに対する閲覧、編集権限の管理機能
  • GoogleのLLM「Gemini」によるPDFファイルの編集機能

 Google Driveは、個人向けオンラインストレージのサブスクリプションサービス「Google One」で利用でき、月ごとに利用可能なストレージ容量別に料金プランが分かれている。100GBの「ベーシック」、2TBの「プレミアム」、Geminiを利用できる2TBの「Google AI Pro」プランの他、15GB分の無料版もある。企業ユーザーは、オフィススイート「Google Workspace」を通じて利用可能だ。

Hightail

 「Hightail」は、クラウドベースのコンテンツ管理およびコラボレーションサービスだ。最大500GBのファイル共有、リアルタイムでフィードバックを収集するコラボレーションツール、プロジェクト管理ツールを備える。企業向けのデジタルアセット管理(DAM)ツール「OpenText Media Management」と連携し、デジタルアセットをチームで共同編集するといったコラボレーションが可能だ。画像列比較や視覚的なファイルプレビュー機能によって、ファイルを素早く確認できるという特徴もある。

 料金プランは「Lite」「Pro」「Teams」「Business」の4つに分かれている。Liteプランは無料で、アップロードできるファイルサイズは100MBまでとなっている。


 後編も引き続き、ドキュメント管理ツールを紹介する。

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