社内のデータを共有する手段として「Microsoft 365」と「G Suite」のどちらが適しているのか。両者のコンプライアンス支援の取り組みと、エンタープライズコンテンツ管理(ECM)ツールを比較する。
Microsoftの「Microsoft 365」とGoogleの「G Suite」は、代表的なサブスクリプション形式のオフィススイートだ。2つのオフィススイートを比較検討する際の材料は多岐にわたる。前編「『Microsoft Teams』と『Google Chat』『Google Meet』の違いとは?」に続く本稿は、「コンプライアンス」(法令順守)と「エンタープライズコンテンツ管理」(ECM)の面からMicrosoft 365とG Suiteを比較する。
Microsoft 365とG Suiteはどちらも、医療や金融業界の企業が守らなければならない主要な法規制の要件を満たしている。例えば情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格の「ISO/IEC 27001」や米国公認会計士協会(AICPA)の定める評価基準「SSAE16」、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律「HIPAA」、EU(欧州連合)の「GDPR」(一般データ保護規則)などを守りながら利用できる。
Googleがコンシューマー事業で、データマイニングや広告事業にユーザー情報を利用している点は、企業にとってプライバシー保護における懸念材料となっている。同社がデータを分析して、従業員の行動に関する情報を収集するのではないかと不安を抱く企業は少なくない。Googleは、ユーザー企業のデータを保護しており、広告事業への利用を目的としたデータマイニングを実施しないことを明確にしている。
Microsoftが提供するECMツール「SharePoint」は、20年以上にわたって大きく変わっていない。Microsoft 365は大半のライセンスに、SharePointのオンライン版である「SharePoint Online」を含めている。SharePoint Onlineは、ドキュメントのバージョン管理や共同編集、ワークフロー自動化機能などを備える。サードパーティー製アプリケーションと連携させることもでき、勤怠管理やヘルプデスクなどの用途に活用できる。
Googleは「Drive Enterprise」というECMツールを提供している。Drive Enterpriseは、データ流出を防ぐ「DLP」(データ損失防止)やデータ監査に加え、人工知能(AI)技術を使って必要なファイルを見つけやすくする「クイックアクセス」などの機能を提供する。
またG Suiteには、社内専用Webサイトを作成する「Google Sites」がある。Google Sitesは、Webブラウザからデジタルコンテンツの作成と管理、配信ができるようにする。Google Sitesは使い方も管理方法も簡単なため、社内オンラインイベントの開催や、従業員が必要とする各種ドキュメントを公開するためのツールとして適している。
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