「iOS」のバージョン18以降では、「衛星経由のメッセージ」を利用できる。この機能を使うことで、モバイルデータ通信や無線LANの電波が届かない場合でも連絡を取ることが可能になる。どのような機能なのか。
携帯電話を含む無線通信システムの運用は、基地局、光ファイバー網、データセンターなどの地上通信インフラによって成り立っている。この仕組みは、モバイル通信のトラフィックを処理する基地局が利用可能な場合にはうまく機能する。だが携帯電話基地局がない遠隔地、あるいは基地局が損傷または機能不良な緊急事態では、衛星通信が頼みの綱となる。
AppleのモバイルOS「iOS」のバージョン18以降を搭載した「iPhone 14」以降のモデルでは、「衛星経由のメッセージ」が利用可能だ。この機能は標準の「メッセージ」アプリケーションに組み込まれており、地上の基地局に接続できない場合でも、テキストメッセージの送受信やインスタントメッセンジャー「iMessage」でのやりとりが可能だ。どのような方法で利用できるのか。
衛星経由のメッセージは、iPhone 14で導入された「衛星経由の緊急SOS」機能を拡張するものだ。その名の通り、通信衛星を使ってメッセージを送信する。具体的には、iPhoneが地球に近い軌道を周回する「地球低軌道衛星」(LEO衛星)のネットワークに接続する。衛星経由の緊急SOSの実装以来、Appleはネットワーク事業者Globalstarを利用して衛星通信を実現しており、2025年1月時点で米国およびカナダで利用可能だ。
通信衛星以外にも、衛星経由のメッセージを構成する技術要素は、以下のように多岐にわたる。
iOS 18を搭載したiPhone 14以降で衛星経由のメッセージを使用するには、以下の手順に従う。
モバイルデータ通信や無線LANの圏外にいる場合は、iOSの設定変更ツール「コントロールセンター」経由で通信衛星に接続することも可能だ。以下に手順を示す。
衛星通信のデモ機能を使って、緊急SOSや通信衛星への接続などを試すこともできる。
後編は衛星経由のメッセージの利点と限界を解説する。
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