災害などの緊急事態下に通信網が寸断されても、通信衛星経由でメッセージを送受信できる機能が「iOS 18」に導入された。この機能が持つ可能性と、現時点で抱える弱点とは。
地震や豪雨などの災害のリスクがある中、緊急時の通信手段を確保することは重要だ。基地局の損壊や停電により通信網が寸断された場合でも、通信を確立できる可能性があるのが、通信衛星を利用したメッセージング機能だ。Appleが「iOS 18」で導入した「衛星経由のメッセージ」は、通信衛星経由でテキストメッセージを送受信可能にする。同社がこの機能を実装したことで、今後の緊急通信技術においてどのような進化が期待できるのか。現時点で考えられる限界と共に紹介する。
以下の点において、「iOS」の衛星経由のメッセージは緊急通信技術の進歩を象徴している。
衛星経由のメッセージはさまざまな場面で役立つ一方、以下の制約を抱えている。
衛星通信を用いたメッセージング機能はiPhoneだけではなく、一部の「Android」搭載デバイスでも利用可能だ。Googleは「Google Pixel 9」「Google Pixel 9 Pro」「Google Pixel 9 Pro XL」「Pixel 9 Pro Fold」で、衛星通信を用いたメッセージング機能を提供している。
Googleはこの衛星メッセージング機能を「衛星SOS」(Satellite SOS)と呼んでおり、緊急時の利用を想定している。機能の初期段階として、衛星通信事業者Skyloの衛星インフラを利用しており、2025年1月時点でハワイ州とアラスカ州を除く米国限定のサービスとして提供している。メッセージを送信できるのは、緊急通報用の番号である911番のみだ。デフォルトのメッセージングアプリケーションとして、Googleの「メッセージ」を設定しておく必要もある。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
CMOが生き残るための鍵は「生産性」――2025年のマーケティング予測10選【中編】
不確実性が高まる中でもマーケターは生産性を高め、成果を出す必要がある。「Marketing D...
世界のモバイルアプリ市場はこう変わる 2025年における5つの予測
生成AIをはじめとする技術革新やプライバシー保護の潮流はモバイルアプリ市場に大きな変...
営業との連携、マーケティング職の64.6%が「課題あり」と回答 何が不満なのか?
ワンマーケティングがB2B企業の営業およびマーケティング職のビジネスパーソン500人を対...