「Android」からの乗り換えを狙う代替OSが充実してきた。どのようなOSがあるのだろうか。代表的な5つを紹介する。
主要なモバイルOSであるGoogleの「Android」。これに対抗しようとする代替OSが出てきている。こうしたAndroid代替OSは、企業がAndroidやAppleのモバイルOS「iOS」からの乗り換えを検討するに足る優位性を実現しているのだろうか。
企業はユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)や生産性、管理性が向上する大きな機会を見いださなければ、モバイルユーザーの大部分が使うAndroidから移行しようとしない。Androidの代替OSが、Androidから顧客を奪う可能性はゼロではない。ただしAndroidは長らく支配的な市場シェアを獲得しており、代替OSは苦戦を免れない。
前中後編にわたり、主要なAndroidの代替OSと、Android標準のユーザーインタフェース(UI)を置き換えるカスタムUIを一挙に紹介する。その中には、Androidと互換性があるOSや、Androidの派生OSも含む。前編に当たる本稿は、主要なAndroid代替OSを5種取り上げる。
Amazon.comの「Fire OS」は、Androidをベースにしながらユニークな機能を備える。Google Playストアで配布される標準的なAndroidアプリケーションは利用できない。Amazon中心のスタンスが強く、同社の公式アプリケーションストア「Amazon Appstore」(Amazonアプリストア)と、さまざまなAmazonコンテンツの利用に主眼を置いている。
Huawei Technologiesは「HarmonyOS」により、モノのインターネット(IoT)アプライアンスからスマートフォンまで幅広いデバイス向けのリアルタイムOSを再発明しようとしている。HarmonyOSは現在、開発の途上にある。
昨今の政治情勢から、HuaweiはAndroidのフル機能を使用できない。現在、同社は自社製スマートフォン「HUAWEI Mate」に、HarmonyOSではなくAndroidのオープンソース版を搭載し、同社のカスタムUI「EMUI」を動作させている。これらのデバイスでは、Googleの公式アプリケーションストア「Google Playストア」を使ったアプリケーションのダウンロードができない。
「KaiOS」は、開発・提供が打ち切られたMozillaの「Firefox OS」をベースにしており、「スマートフィーチャーフォン」にうってつけのOSだ。2000年代初めから半ばにかけて販売されたスマートフィーチャーフォンは、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)と同様の筐体を持ち、スマートフォンと同様のアプリケーションが稼働する。最新のスマートフォンと比べると利用できる機能は限定されるものの、シンプルな使い勝手のモバイルデバイスだ。KaiOSを使えば、こうしたデバイスでもアプリケーションストアを利用したり、4G(第4世代移動通信システム)による通信をしたりできる。
「PostmarketOS」は、Linuxディストリビューションの「Alpine Linux」をベースにした無料のオープンソースOSだ。古いモバイルデバイスの寿命を延ばすために、サポートが終了した古いOSの代わりに使うことを想定している。
「Sailfish OS」は、フィンランド企業のJollaが開発、提供している。JollaはNokiaと「MeeGo」というOSにルーツがある。MeeGoは、Nokiaが開発を中止したモバイルOSだ。JollaはSailfish OSを搭載する自社ブランドのスマートフォンを販売しており、Sailfish OSは中国、インド、ロシアといったBRICs諸国で認知、採用されている。
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