iPhoneでもAndroid端末でも「長く使いたい」はもう常識?今後は“ある進化”で下取り加速も

Assurantの調査によると、スマートフォンを交換するまでの使用期間が、米国市場では過去最長の3.7年に達した。「iOS」「Android」の使用状況の違いや、今後の使用期間に影響する進化と併せて状況を見てみよう。

2024年10月06日 09時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 携帯電話関連のサービスを手掛けるAssurantは、スマートフォン下取り市場の最新動向を定期的に分析している。同社によると、下取りプログラムやアップグレードプログラムで回収されたスマートフォンの平均使用期間は、2024年第2四半期(2024年4〜6月)の米国市場では3.7年で過去最長となった他、下取り額も増加した。ただし「Android」と「iOS」のモバイルOS別では状況に違いが見られる。今後はスマートフォンの“ある進化”が、使用年数の増減に変化をもたらす可能性がある。

「iOS」「Android端末」の使用状況の違い

 Assurantが公開したインフォグラフィック「Mobile Trade-in and Upgrade Trends Infographic Q2 2024 Summary」によると、下取り時点での平均使用期間は、Appleの「iPhone」は2024年第1四半期の3.6年から同第2四半期には3.8年に延びた。一方Android搭載デバイスは、2024年第1四半期の3.7年から、同第2四半期には3.5年と短くなった。

 2024年第2四半期におけるスマートフォン1台当たりの平均下取り価格は141.02ドルとなり、前四半期の110.87ドルから約28%増を記録した。2024年第1四半期と比較した場合の平均下取り価格をOS別に見ると、「Android」搭載デバイスは37%増、「iOS」搭載デバイスは20%増を記録している。

 Appleのスマートフォンが最も多く下取りに出される傾向は、近年のトレンドとして変わっていない。Samsung Electronicsの土俵となるAndroid市場では、同社の「Galaxy S21」が下取りプログラムとアップグレードプログラムで最も多く回収されたAndroid搭載デバイスになった。2024年第2四半期に下取りプログラムとアップグレードプログラムで回収されたGalaxy S21の台数は、前年同期比で20%増だった。

 Galaxy S21の下取り台数が増えた点については「重要な力学が働いた可能性がある」と、Assurantのエグゼクティブバイスプレジデント兼グローバルコネクテッドリビングおよびインターナショナル事業プレジデントのビジュ・ナイア氏は指摘する。特に影響した可能性があるのは、同社が1月にスマートフォン新製品を発表したことだという。

 今後の下取りやアップグレードに大きな影響力を与える可能性があるのは、スマートフォンが搭載するAI(人工知能)機能群だ。消費者が同じスマートフォンをかつてないほど長く使用している一方で、「下取りを検討している消費者にとっては、AI機能による進化が買い替えを決める要因になる可能性がある」とナイア氏は語る。

 AppleのAI機能群「Apple Intelligence」が同社のデバイスに組み込まれることも、同様の影響を与える可能性がある。「AI機能への消費者の関心の高さを考えると、AI機能組み込みのスマートフォン新製品が発表されると同時に、大きなアップグレードサイクルが起きても不思議ではない」。Assurantで製品管理および戦略担当バイスプレジデントを務めるレベッカ・グリフィス氏はそう語る。

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