Assurantの調査によると、スマートフォンを交換するまでの使用期間が過去最長に達した。「iOS」「Android」の使用状況の違いや、今後の使用期間に影響する進化と併せて状況を見てみよう。
スマートフォンの使用年数や、替え替え時の下取り金額に、ある変化が見られる。「iPhone」や「Android」搭載端末の使用年数は長期化する傾向にある一方で、今後は買い替えが促進されるサイクルに入る可能性があるとの見方もある。携帯電話関連のサービスを手掛けるAssurantによる市場調査を基に見てみよう。
Assurantが公開したインフォグラフィック「Mobile Trade-in and Upgrade Trends Infographic Q2 2024 Summary」によると、米国市場における下取り時点での平均使用期間は、Appleの「iPhone」は2024年第1四半期の3.6年から同第2四半期には3.8年に延びた。一方Android搭載デバイスは、2024年第1四半期の3.7年から、同第2四半期には3.5年と短くなった。2024年第2四半期(2024年4〜6月)の米国市場全体では、3.7年と過去最長になった。
2024年第2四半期におけるスマートフォン1台当たりの平均下取り価格は141.02ドルとなり、前四半期の110.87ドルから約28%増を記録した。2024年第1四半期と比較した場合の平均下取り価格をOS別に見ると、「Android」搭載デバイスは37%増、「iOS」搭載デバイスは20%増を記録している。
Appleのスマートフォンが最も多く下取りに出される傾向は、近年のトレンドとして変わっていない。Samsung Electronicsの土俵となるAndroid市場では、同社の「Galaxy S21」が下取りプログラムとアップグレードプログラムで最も多く回収されたAndroid搭載デバイスになった。2024年第2四半期に下取りプログラムとアップグレードプログラムで回収されたGalaxy S21の台数は、前年同期比で20%増だった。
Galaxy S21の下取り台数が増えた点については「重要な力学が働いた可能性がある」と、Assurantのエグゼクティブバイスプレジデント兼グローバルコネクテッドリビングおよびインターナショナル事業プレジデントのビジュ・ナイア氏は指摘する。特に影響した可能性があるのは、同社が1月にスマートフォン新製品を発表したことだという。
今後の下取りやアップグレードに大きな影響力を与える可能性があるのは、スマートフォンが搭載するAI(人工知能)機能群だ。消費者が同じスマートフォンをかつてないほど長く使用している一方で、「下取りを検討している消費者にとっては、AI機能による進化が買い替えを決める要因になる可能性がある」とナイア氏は語る。
AppleのAI機能群「Apple Intelligence」が同社のデバイスに組み込まれることも、同様の影響を与える可能性がある。「AI機能への消費者の関心の高さを考えると、AI機能組み込みのスマートフォン新製品が発表されると同時に、大きなアップグレードサイクルが起きても不思議ではない」。Assurantで製品管理および戦略担当バイスプレジデントを務めるレベッカ・グリフィス氏はそう語る。
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