スマートフォン市場の先を読む【後編】
iPhone、Androidの支給機種は社員のステータスを示す? スマホ選びのおきて
企業における従業員用スマートフォンの購入は、市場動向を見て判断する必要がある。それぞれの用途に適した機種を選ぶことが重要だ。選定の勘所とは。
ハイエンドのスマートフォンを販売しているSamsung Electronics、Apple、Googleなど大手メーカーによる、市場の変化への対策はさまざまだ。Googleは800ドル前後の高価格帯が中心だった自社製スマートフォン「Pixel」シリーズのラインアップに、400ドル前後のミドルクラス機種「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」を新たに投入した。同社のPixel担当プロダクトマネジャーのソニヤ・ジョバンプトラ氏は「高性能スマートフォンの価格がますます高額化し、価格帯のギャップによって置き去りになっている顧客がいることに気付いた」と話す。
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Googleが399ドルで発売したPixel 3aは、同社の一般的なハイエンド機種と比べて機能をそれほど大幅に削っておらず、企業ユーザーの一定のニーズを満たしている。ジョバンプトラ氏によると、耐久性や処理能力などは多少落としたものの、企業向けデバイスにとって重要であるセキュリティ機能は下げていない。
スマートフォン「iPhone」シリーズを販売するAppleは、高級志向ユーザーを対象とする戦略に賭けている。iPhoneシリーズのうち、価格を下げているのは旧モデルだけだ。同社は現在「売り上げ拡大よりインストールベースの確保に注力しており、同社エコシステムの全ユーザーを獲得してサービスを売り込もうとしている」と調査会社IDCのリサーチマネージャー、アンソニー・スカーセラ氏は話す。
Appleの最高価格のスマートフォン「iPhone 11 Pro Max」は1099ドルだ。機能を制限したキオスクデバイスや単用途のデバイスにするには高過ぎるが、ハイエンドのスマートフォンを必要とするナレッジワーカーには適する可能性がある。「Appleはかつて、『全ての人』をiPhoneの対象としていた。今の新しいハイエンド機種は、最高性能のスマートフォンを必要とする『プロ』を対象としている」(スカーセラ氏)
“社員の気持ち”も考えてスマートフォンを選ぶべし
スマートフォンを大量に購入したり、買い替えたりする企業は、市場動向の変化に合わせて購入戦略を調整する必要がある。
ハイエンドモデルの支給は、そうした機能を必要とする従業員に限定することでコストを削減できる。例えばミドルクラスのスマートフォンは、処理速度や耐久性ではハイエンド機種に及ばないとしても、キオスクデバイスとして、または単用途で使うには十分だろう。
「今後のモバイルデバイスの投資先は保険外交員や営業担当者、店舗販売員など現場で働く人々が大部分を占める。分刻みで重要な意思決定をする経営幹部ではない」。GoogleでモバイルOS「Android」のグローバル戦略とマーケットイネーブルメントを担当するショーン・ギネバン氏はこう話す。「望ましい価格帯が下がるのは当然だろう」(ギネバン氏)
コストだけが企業のスマートフォン購入を左右するわけではない。スマートフォンの機能にこだわりのあるナレッジワーカーにとっては「最新モデルが最高の選択になる」とヒューイット氏は指摘。「優れたエンドユーザー体験は多くの企業において重要な決め手だ」と続ける。
ミドルクラスのスマートフォンでも十分に仕事を遂行できるナレッジワーカーもいるだろう。だがヒューイット氏によると、支給されるスマートフォンは社内における自分のステータスを表していると考える従業員もいるという。「従業員には『会社から適切に投資してもらっている』と感じてほしい。だから仕事を遂行できるかどうか、ぎりぎりのような最低限のモデルを渡すことはしたくない」とノードマン氏は話す。
企業がモバイルデバイスの購入を判断する上で最も優先すべきなのは「セキュリティだ」とヒューイット氏は言う。ミドルクラスやロークラスのスマートフォンで多少コストを削減できたとしても、セキュリティ侵害が発生する可能性があるようでは選ぶことはできない。
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