「iPhoneは絶対に安全」だという思い込みはなぜ危険なのかGartnerに聞く「iOS」の脆弱性がもたらす影響【後編】

2019年2月に複数の脆弱性が見つかった「iOS」。この件をきっかけに、モバイルデバイスのセキュリティに対する人々の意識が変わりつつあるとGartnerは話す。モバイルデバイスを安全に運用するには何が必要なのか。

2019年10月29日 05時00分 公開
[John PowersTechTarget]

関連キーワード

OS | Apple | iOS | Google | iPhone | スマートフォン | 脆弱性


画像

 前編「iPhoneの“安全神話”はGoogleが見つけた脆弱性で崩壊か?」は、Googleのセキュリティチーム「Project Zero」が発見した「iOS」の脆弱(ぜいじゃく)性が与える影響について、調査会社Gartnerでシニアディレクターアナリストを務めるパトリック・へベシ氏に聞いた。後編は引き続きヘベシ氏に、今回の脆弱性発見を受けて企業があらためて見直すべきモバイルデバイスのセキュリティ対策を聞く。

モバイルデバイスのセキュリティホール

―― 今回のようなモバイルセキュリティの脆弱性は、モバイルデバイス全体の安全性を左右するのでしょうか。

ヘベシ氏 その通りだ。だからこそ、それを検知するためのモバイル脅威防御(MTD)製品がある。アプリケーションにも警戒が必要だ。そのアプリケーションは、悪意のある、望ましくないアプリケーションではないかどうか。バックアップやクラウドストレージ、安全ではないAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)へのアクセスに悪用される可能性はないかどうか。データ送受信者の間に割り込んで通信を傍受、改ざんする中間者攻撃を仕掛けようとしていないかどうか――。こうした注意を怠ってはいけない。

 コーヒーショップや空港では、偽の公衆無線LANに接続させられていないかどうかに気を付けなければいけない。DNS(ドメインネームシステム)やARP(アドレス解決プロトコル)など、ドメインとIPアドレスをひも付ける仕組みのキャッシュを汚染(キャッシュポイズニング)して、悪意のある証明書をインストールさせられる場合がある。パッチ未配布のゼロデイ脆弱(ぜいじゃく)性を利用した攻撃だったから検出できなかったのではなく、攻撃者が難読化などの手法を使ってセキュリティ製品を回避したために、デバイスのセキュリティエンジンが攻撃を検知できなかった可能性もある。

「iPhoneは完全に安全」だと言い切れない訳

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news064.jpg

2025年のマーケターが「生成AIでテレビCMを作る」よりも優先すべきことは?
AIが生成した広告に対する反発が続いた1年を経て、マーケターはパフォーマンス重視で非難...

news070.jpg

CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...

news214.jpg

トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。