2つのプロトコルに対応
Windowsタブレットはペンでここまで変わる、ワコム「Bamboo Ink」レビュー
タブレットや2-in-1デバイスの使い勝手が向上するアクティブペンは純正製品以外にも多くある。ワコムの「Bamboo Ink」は多くのWindowsタブレットで利用できるペンだ。その特徴とは。
タブレットの特徴の1つは画面に書き込めることだ。メモを取り、スケッチをし、絵を描くこともあるだろう。だが、スタイラスペンを装備していないモデルも多い。人気の高いMicrosoftの2017年モデル「Surface Pro」もその一例だ。ただし、2-in-1デバイスの多くのユーザーには、ワコムの「Bamboo Ink」がある。この製品は、幅広いWindows PCとの互換性を考慮して設計されている。
Bamboo Inkは価格9698円(税込、以下同じ)で購入できる。
構造とデザイン
ペン本体の断面は、円形というよりも三角形に近い。ただ、丸みがあり、とがった部分はない。長さ147ミリ、一番太い部分の直径は10ミリだ。
Bamboo Inkは長時間の利用でも持ちやすく、握りやすい。これは表面がつるつるしていないためだろう。表面にはソフトな質感の触り心地の良い素材が採用されている。
Bamboo Inkにはケースやバッグに取り付ける金属製クリップが付いている。PCに取り付ける磁石はない。とはいえ、競合他社のスタイラスペンの磁石も全く頼りないので、物足りなさは感じない。いずれにせよ、スタイラスペンの磁石に頼ることはお勧めしない。
ボタン
Bamboo Inkにはボタンが2つある。1つは手元側の先端(トップボタン)に、もう1つは側面(サイドボタン)にある。
トップボタンは、アプリケーションの起動に使う。このボタンを1回、2回、3回といずれかの回数短く押すと、「Windows Ink ワークスペース」「付箋」「スケッチパッド」「画面スケッチ」などのアプリケーションが開く。どのような押し方で何を開くかはユーザーが決めることができる。
サイドボタンはペン本体からほとんど浮き出していない。そのため邪魔にはならない。このボタンはマウス右ボタンとして簡単に利用できる。本稿のテストで使用したSurface Proでは、Bamboo Inkはホバーをサポートするため、画面にペン先を近づけ、ボタンを押すだけでオプションメニューが開く。
ペン先
Bamboo Inkにはソフト、ミディアム、ハードの3種類の替え芯が1つずつ付属する。ミディアムのペン先は標準装備されているため、このペン先は2つある。
替え芯は小さなアイテムなので、なくならないようにケースに収められている。とはいえ、ケース自体も40.6×30.4×6.3ミリと小さいため、必要なときにすぐ見つかるように置き場所を決めておく方がよい。
ケースにはもう1つ仕掛けがある。ケースの1辺に金属製の穴がある。Bamboo Inkからペン先を取り外すには、まずペン先をこの穴に入れペンを2カ所で固定してからそっと引っ張る。爪で引っ張り出そうとすると、壊れる可能性があるのでやめた方がよい。
パフォーマンス
指先や静電容量性スタイラスを使うとき、タッチスクリーンが識別するのは触れた場所だけだ。ディスプレイへの筆圧など、さらに細かい情報を伝えるのはアクティブペンの役割になる。Bamboo Inkはこのような細かい情報をタブレットに伝えるために、「Microsoft Pen Protocol」(MPP)と「ワコム アクティブ静電結合方式」(AES)という2つの技術のいずれかを使用する。この2つの技術には互換性がない。ワコムのスタイラスが競合製品と一線を画する特徴が、この2つの技術の両方をサポートする点にある。TechTargetが把握している同様のアクセサリーではどちらか1つの技術しかサポートしていない。
2つの技術は、サイドボタン上の2つのサイドスイッチを両押しするだけで切り替えることができる。そのため、複数のデバイスでも同じアクティブペンを簡単に共有できる。また、次期Windowsタブレットでも機能すると予想できるため、安心して購入できる。
ただし、以前ワコムが採用していた電磁共鳴(EMR)技術はサポートしない。第一世代、第二世代Surface Proはこの技術に対応する。また、Synapticsのアクティブペンテクノロジーもサポートしない。さらに、Appleの「iPad」では機能しない。Bamboo InkはWindowsデバイス専用である。
他のほとんどのアクティブペンと同様、Bamboo InkもBluetoothによるPCとのペアリングが必要だ。このペアリングを使って、トップボタンとサイドボタンの機能をタブレットで利用できるようにする。
筆記と描画
本稿では、Microsoftの「Surface Pro 4」でBamboo Inkをテストした。そのため、MPPを使用した。
次の点は、とても重要なので、心に留めておいてもらいたい。本稿のスタッフにはアーティストはいない。スタイラスペンを使ってメモを取るのは慣れており、たまにはスケッチもするが、アート作品作成時のBamboo Inkの使用感についてはアドバイスできない。
既に紹介したが、Bamboo Inkはハード、ミディアム、ソフトの3種類のペン先を用意している。意識すれば多少の違いは分かるが、大きな差があるとは感じられない。ペン先が柔らかいほど、紙に書いているような感覚を得られるが、摩耗も早くなる。ペン先がハードな方が長持ちする。
Surface Pro 4はBamboo Inkで軽く触れただけでも反応する。テストで線を描いている間に途切れることはなかった。
アクティブペンの中には、ペン先をゆっくり動かすと問題が発生するものもある。ゆっくり動かすと、スクリーンはペン先を見失うことがあるようだ。そのため、描いた線が多少ぎざぎざになる。Bamboo Inkでもゆっくりと線を描くときにやや神経を使う。だが、ごくわずかだ。
Bamboo Inkが傾きを検知すれば、このようには感じなかっただろう。アート作品を生み出すのはかなり難しくなるため、この点は残念だ。
Bamboo InkはMicrosoftのどのバージョンの「Surface Pen」よりも持ちやすく握り心地が良い。だが、メモを取ったり、スケッチをしたりする際の使用感はほとんど変わらない。ただ、芸術性の高い作品になると、Bamboo Inkは傾きを検知しないため、第4世代のSurface Penの方が優位になる。
バッテリー
Bamboo Inkは小さな単6電池1つで動作する。これは、めずらしくはない。競合他社の感圧式スタイラスペンも電池が必要になる。
電池がなくなっても、本体の上部2.5センチの部分をねじって開き、簡単に交換できる。このスタイラスペンを多用するユーザーは、机や携帯バッグに単6電池を常備しておくことを勧める。
結論
Bamboo Inkには、最高のアクティブペンと呼べるほどの特徴はない。だが、価格も高くはない。手書きでメモを取りたいビジネスユーザーや学生に最適だろう。
クリエイティブなツールを探しているアーティストは、傾き検知がないことに間違いなく物足りなさを感じるだろう。
Bamboo Inkの価格は9698円だ。これに対して、Microsoftは、さらに多くの機能を備えた第4世代Surface Penを1万2744円で販売している。
替え芯は1620円だ。これは比較的安い。MicrosoftはSurface Penの替え芯を2529円で販売している。
長所
- 握り心地が良く使いやすい
- 多種多様なタブレットや2-in-1デバイスと互換性がある
短所
- 傾き検知をサポートしていない
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