スマホを中古で買うなら「Android」ではなく「iPhone」が面白いのはなぜ?下取り価格が過去最高のスマートフォン市場

スマートフォンをはじめとしたモバイル端末の下取り市場が活況を呈している。「iPhone」シリーズと「Android」搭載端末の取り扱い状況と、中品を選ぶ際のポイントを見てみよう。

2024年04月13日 08時30分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 2023年は景気減速を背景にして、設備投資や消費財の購入を抑える動きがあった。その一方で市場が活性化したのが、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末の下取り市場だ。Appleのスマートフォン「iPhone」シリーズとモバイルOS「Android」搭載のスマートフォンの取り扱い状況を踏まえて、スマートフォンを中古で探す場合に押さえておくといい点を確認しよう。

スマホの中古なら「Android」より「iPhone」が面白いのはなぜか?

 車両保険や物品の保証サービスを手掛けるAssurantは、調査レポート「Mobile Trade-In and Upgrade Industry Trends 2023」(モバイル端末の下取りとアップグレード市場の動向2023年度版)を発表した。同レポートは、米国の中古端末市場の成長を継続的に追跡し、下取りプログラムに出された上位機種やスマートフォンの平均下取り価格を報告した。

 この報告書の調査結果によると、2023年度にモバイル端末下取りプログラムで米国の消費者に還元された総額は2022年度より13%増えて43億ドルに達し、同社の調査期間の中で史上最高額を記録した。2023年に下取りに出されたモバイル端末の平均使用年数は3.46年だった。

 2023年第4四半期(2023年10月〜12月)に下取りプログラムで消費者に還元された額は16億ドルに達し、前年同期比で25%増えた。2023年第3四半期(7〜9月)にモバイル端末下取りプログラムで米国の消費者に還元された額は9億9900万ドルだった。

 2023年度に下取りプログラムに出されたスマートフォンの首位はAppleの「iPhone 11」で、上位5機種のうち33.95%を占めた。iPhone 11に次いで、iPhone 12(21.43%)、「iPhone 12 Pro Max」(17.87%)、「iPhone XR」(15.37%)、「iPhone 12 Pro」(11.37%)が上位を占めている。

 2023年第4四半期のiPhone製品群の平均下取り価格は調査期間で過去最高の218ドルを記録した。上位のスマートフォン5機種をiPhoneが占めた。一方でモバイルOS「Android」を搭載するスマートフォンのうち、2023年に最も多く下取りに出されたのは「Samsung Galaxy S21」だった。

 Assurantのグローバルコネクテッドリビングおよびインターナショナル担当プレジデントを務めるビジュ・ナイア氏は、この調査について次のように解説する。「2023年はモバイル端末の下取りにおいて記録的な年になった。モバイル端末の価格と環境保護に対する消費者の意識がますます高まり、下取りプログラムの需要が増大していることを調査結果は示している」。同氏によると第4四半期はホリデーセールやブラックフライデーなどの大規模な小売りイベントが新しいモバイル端末の需要を刺激し、下取りプログラムの利用が急増したという。

 今後Assurantは下取りプログラムに対する需要は引き続き増大するとみている。しかし市場の拡大は、通信事業者やスマートフォンベンダー、小売業者が魅力的な下取りプログラムやプロモーション施策を提供して初めて可能になる。「中古モバイル端末市場を拡大し、消費者がスマートフォンをさらに手に入れやすくするには、業界を横断した連携が不可欠だ」(ナイア氏)

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