中古スマートフォンの下取り価格は上昇を続け、活況を呈している。下取り上位の機種については、ある顕著な傾向が見られた。注目すべき中古スマートフォン市場の状況とは。
リスク管理サービスベンダーAssurantは、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の下取り・買い替えに関する動向を四半期ごとに調査している。2023年8月、同社は2023年第2四半期(4月〜6月)の調査結果を発表した。下取りに出される傾向のあるスマートフォンの機種や、下取り価格の変化などが分かった。
2023年第2四半期に下取り件数が多かった上位5機種はいずれもApple製品で、「iPhone 11」「iPhone 12」「iPhone XR」「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 11 Pro Max」だった。これらの端末のうち「5G」(第5世代移動通信システム)が使える機種は34%を占め、前四半期の29%から増加した。
Samsung Electronicsのスマートフォンに関しては、「Galaxy S21」が「Galaxy S9」を抜き、同社製品の中で最も下取りに出される機種となった。
2023年第2四半期におけるスマートフォンの平均下取り価格は135ドルで、前四半期の126ドルからはわずかな上昇にとどまった。背景には、5Gの普及に合わせて2022年にスマートフォンの買い替えが進んだ影響があるという。
iPhoneの平均下取り価格は過去最高の215ドルになった。iPhoneの平均下取り価格は2023年第1四半期に、2021年第3四半期以来初めての200ドル超えとなっている。Appleのスマートウォッチ「Apple Watch Ultra」の平均下取り価格は208ドルだった。
オンライン取引による中古スマートフォンの下取りは総額の16%を占め、2022年第2四半期比で15%増となった。下取りとアップグレード(買い替え)プログラムによって、米国の消費者には総額約8億7200万ドルが還元された。これは前期の約8億6500万ドルと同水準だった。
後編は、中古スマートフォン市場に注目が集まりつつある背景を解説する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
2025年のマーケターが「生成AIでテレビCMを作る」よりも優先すべきことは?
AIが生成した広告に対する反発が続いた1年を経て、マーケターはパフォーマンス重視で非難...
CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...
トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。