中古スマホの「買い替え上位」と「高額下取り」は“あの端末”中古スマートフォン市場が“活況”の現実【前編】

中古スマートフォンの下取り価格は上昇を続け、活況を呈している。下取り上位の機種については、ある顕著な傾向が見られた。注目すべき中古スマートフォン市場の状況とは。

2023年09月23日 07時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 リスク管理サービスベンダーAssurantは、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の下取り・買い替えに関する動向を四半期ごとに調査している。2023年8月、同社は2023年第2四半期(4月〜6月)の調査結果を発表した。下取りに出される傾向のあるスマートフォンの機種や、下取り価格の変化などが分かった。

買い替えランキング上位、高額下取りのスマホはこれだ

 2023年第2四半期に下取り件数が多かった上位5機種はいずれもApple製品で、「iPhone 11」「iPhone 12」「iPhone XR」「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 11 Pro Max」だった。これらの端末のうち「5G」(第5世代移動通信システム)が使える機種は34%を占め、前四半期の29%から増加した。

 Samsung Electronicsのスマートフォンに関しては、「Galaxy S21」が「Galaxy S9」を抜き、同社製品の中で最も下取りに出される機種となった。

 2023年第2四半期におけるスマートフォンの平均下取り価格は135ドルで、前四半期の126ドルからはわずかな上昇にとどまった。背景には、5Gの普及に合わせて2022年にスマートフォンの買い替えが進んだ影響があるという。

 iPhoneの平均下取り価格は過去最高の215ドルになった。iPhoneの平均下取り価格は2023年第1四半期に、2021年第3四半期以来初めての200ドル超えとなっている。Appleのスマートウォッチ「Apple Watch Ultra」の平均下取り価格は208ドルだった。

 オンライン取引による中古スマートフォンの下取りは総額の16%を占め、2022年第2四半期比で15%増となった。下取りとアップグレード(買い替え)プログラムによって、米国の消費者には総額約8億7200万ドルが還元された。これは前期の約8億6500万ドルと同水準だった。


 後編は、中古スマートフォン市場に注目が集まりつつある背景を解説する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news067.jpg

「単なるスポーツ広告ではない」 Nikeの27年ぶりスーパーボウルCMは何がすごかった?
Nikeが27年ぶりにスーパーボウルCMに復帰し、注目を集めた。

news082.png

Z世代と上の世代で利用率の差が大きいSNSトップ3 1位「TikTok」、2位「Instagram」、3位は?
サイバーエージェント次世代生活研究所が実施した「2024年Z世代SNS利用率調査」の結果が...

news187.jpg

主戦場は「テレビ画面」へ YouTube20周年でCEOが公開書簡
20周年を迎えるYouTubeが、クリエイターとユーザーの双方にとってより魅力的で革新的なプ...