Dell Technologies World 2026

Dell創業者が指摘するAI活用の「死角」 情シスを襲う「データサイロ」のわなとは?

Dellが提唱する「AI Factory」は、AIを実験から実運用のフェーズへ押し上げる。しかし、最大の障害は技術そのものではなく、バラバラなシステムに散在するデータの未整備だ。情シスが直面するデータガバナンスのわなを回避し、AIによる顧客体験を最大化するための鉄則と、組織が取るべき現実的なアプローチを解き明かす。

 2026年、DellはエンタープライズAIとハイブリッドクラウドを支える基盤インフラプロバイダーとしての地位を固め続けている。

 「Dell Technologies World 2026」のメインテーマは明確だ。エンタープライズAIは実験段階から本番稼働へと移行しつつある。企業は、ガバナンスの効いたハイブリッドインフラを介し、データがある場所の近くでAIを実行することを求めている。

 「CIO(最高情報責任者)はハイブリッドAIへ積極的にかじを切っている」。Dellの創設者であるマイケル・デル氏は、Dell Technologies World 2026の基調講演でそう述べた。「リスクはクラウドそのものではない。データやコスト、セキュリティ、知的財産、そしてスピードに対する制御を失うことこそがリスクなのだ」

 Dellは「AI Factory」戦略の拡大も発表した。これは企業がオンプレミスやハイブリッド環境でフロンティアモデルを導入・実行するためのフレームワークだ。同社はこのアプローチについて、データガバナンスの制御やモDellの選択、大規模なAI導入に伴う長期的なコスト管理を改善する手段だと強調した。

 各セッションの講演者は、こうしたインフラ投資が、よりプロアクティブで文脈に沿った自動化された顧客体験(CX)を実現するための基盤になると説明した。しかし、議論がインフラからパーソナライゼーションやサービス自動化といった具体的な成果に移るにつれ、1つの共通のテーマが浮き彫りになった。それは、AIパーソナライゼーションで、技術そのものよりもデータの整備状況が大きな障壁になっているという事実だ。

 「最大の課題は、その下にあるデータにある」。人材採用企業Landing PointのリードAIエンジニアを務めるファイゼル・カーン氏は、TechTargetのインタビューでそう語った。「それは品質の問題ですらない。適切な意思決定に必要なあらゆる情報が、全く異なるフォーマットで異なるシステムに散らばっていることが問題なのだ」

実務でAIパーソナライゼーションがとん挫する理由

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