勝ち残るための基盤戦略

「専用ハードを捨てろ」 なぜスタンダードチャータードはAI基盤に“ありふれた汎用品”を選ぶのか

AIブームが実験段階を終え、APACの先進企業はインフラの再構築にかじを切っている。スタンダードチャータード銀行は特殊ハードを排除し、24時間で稼働可能な標準化モデルを確立。一方でNAVER Cloudはデータ主権を守る「ソブリンAI」で世界進出を狙う。

 AIの導入が実験段階を終え、実用化のフェーズへと進んでいる。これに伴い、アジア太平洋(APAC)地域の組織は、世界規模での拡張とサプライチェーンの停滞回避を目指し、インフラの標準化と「ソブリンAI(主権AI)」への注力を強めている。

 米国ラスベガスで開催されたイベント「Dell Technologies World 2026」の合間に行われたメディアブリーフィングでは、Dell、スタンダードチャータード銀行、韓国のIT大手Naver Cloudの幹部が登壇。AIサイクルの成熟がAPAC地域のデータセンターをいかに変貌させているかについて議論を交わした。

 Dellの発表によると、同社の「AI Factory」の顧客基盤は、過去1年間で3000社から5000社以上に急増したという。AIソフトウェアやNVIDIA製インフラの急速な普及の裏には、回復力(レジリエンス)が高く、徹底的に汎用化されたインフラへの根強いニーズがある。

 以下では、スタンダードチャータードやNaver Cloudの事例を紹介しながら、情シスが直面する供給網のわなと、勝ち残るための基盤戦略を解き明かす。

スタンダードチャータードが推進する「簡素化とスケール」

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