「ベテランの記憶頼りの品質管理」から脱却

「ムヒ」の池田模範堂が実践するナレッジ管理 生成AIで報告書作成時間を半減

池田模範堂は、品質保証領域の属人化と情報散在の課題を解決するため、生成AIツールを導入した。手書き文書のデータ化や過去事例の迅速な検索によって、報告書作成時間を半減させた2つのアプローチとは。

 人手不足が深刻化する製造現場において、過去の知見をいかに効率的に引き出し、業務に生かすかは喫緊の課題だ。2026年に主力製品「ムヒ」の発売100周年を迎える池田模範堂は、品質保証と薬事領域における情報の分散と業務の属人化に直面していた。蓄積された膨大な紙資料と、複数システムに点在するデータが混在し、必要な情報の検索に多大な時間を要していたのだ。過去の品質イベントやレギュレーションの調査が担当者の記憶に依存しており、業務スピードも低下していた。

 この状況を打破するために池田模範堂は、システムインテグレーターのファンリードが提供する、生成AIを活用したナレッジ管理ツール「STiV」を信頼性保証部に導入した。過去事例や法規制の情報を一元的に管理、検索できる仕組みを構築したことで、調査業務の効率が飛躍的に向上した。工場現場での監査などの業務で発生する手書き文書を文字認識(OCR)機能で即座にデータ化し、報告書の素案を作成する仕組みによって、従来1時間かかっていた作業時間を50%削減し、30分に短縮する成果を上げている。

 池田模範堂におけるSTiV活用の核心は、単なる文書管理にとどまらない、生成AIを用いた高度な分析と、既存システムとの連携を見据えた運用設計にある。製薬業界の厳格な品質管理基準に適合しつつ、現場の作業負担を軽減する新たな仕組みを、いかにして実現したのか。導入効果を決定づけた2つのアプローチを紹介する。

1.生成AIによる原因分析の高度化と属人化の排除

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