思い込みが緊急時の問題を招く

「世の中のDR計画はでたらめ」 専門家が明かすDRの“3つのうそ”

自然災害やシステム障害に備えたDR計画について、専門家は「全てのDR計画はでたらめだ」と断言する。計画が機能しない理由と、企業の回復力を高めるインシデント対処の仕組みづくりを解説する。

 システム障害やデータセンターの火災といった緊急事態に備え、企業はDR(災害復旧)計画を策定している。監査を通過し、顧客からの信頼を得るために、綿密な手順書を用意することはIT部門の責務だ。

 これに対して、「世の中に存在する全てのDR計画はでたらめだ」と断言する人がいる。レジリエンスエンジニアリング(回復力、適応力を高めるための工学的手法)の普及を目指すコミュニティーResilience in Software Foundationのプレジデントを務めるコレット・アレクサンダー氏だ。同氏は、原油流出事故などの歴史的大惨事を例に挙げ、大規模な災害時には事前の想定と現実の被害規模や復旧時間に致命的なギャップが生じることを指摘する。

 企業のコンプライアンスを満たすためだけに作成された「ファンタジードキュメント」(架空の文書)は、実際のシステム障害時には役に立たない。DRテストを成功させることが目的化すると、いざというときの復旧作業に支障を来す恐れがある。

 では、実際のインシデントで機能するDR体制を構築するには何が必要なのか。企業が陥りがちな「3つのうそ」と、現場の対処力を高める実践的なアプローチを解説する。

歴史的な原油流出事故が示す「計画と現実」のギャップ

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