2300店舗を支えるインフラ刷新

通信障害でも「店を止めない」 ホームセンター大手が挑むエッジインフラ運用

顧客体験の向上にはリアルタイムなデータ連携が不可欠だが、実店舗のコンピューティングリソースには限界がある。The Home Depotは旧システムの限界に直面し、どのような工夫でインフラを全面刷新したのか。

 実店舗とデジタルの連携が進む小売業において、店舗システムのリアルタイム性と可用性の両立は喫緊の課題となっている。米国の小売大手The Home Depotは、20年以上稼働していた店舗中心の旧システムを見直し、2300件以上の店舗を支える新たなエッジシステムを構築した。

 これまでの店舗システムは、夜間のバッチ処理で中央のデータベースと同期する方式を採用しており、迅速なビジネスの要求に応えられなくなっていた。顧客がスマートフォンで注文した商品を翌日現場に届ける、あるいは店舗で直接受け取るといった、相互接続型の小売体験を実現するには、データが分断された従来の仕組みでは不十分だったのだ。

 そこでThe Home Depotは、ハードウェアの更新サイクルに合わせてインフラの全面刷新を決断した。新システムの構築に当たり、同社が重視したのは「エッジはクラウドではない」という事実だ。店舗にはデータセンターのような潤沢なコンピューティングリソースはなく、空調などの設備条件も不十分だ。さらに、ハリケーンなどの災害による通信障害時にも、地域社会の復興を助けるインフラとして店舗の営業を継続する(オフライン稼働)必要があった。

 過酷な制約を持つ店舗という条件下で、いかにして最新のコンテナ技術やデータ連携を組み込み、開発者の負担を軽減したのか。

2300店舗を支える「Git」の自律的な仕組み

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