意図的な“破壊”がもたらす恩恵

構成変更のたびにおびえない AWSネットワークに「カオス」が必要な理由

ネットワーク構成の変更作業はシステム障害を引き起こすリスクを抱えている。AWSのインフラにおいて、標準ツールと「意図的な破壊」を組み合わせることで不安を払拭する方法とは。

 「システムがつながらない。ネットワークのせいではないか」――。ITインフラ全体を接着する役割を担うネットワークエンジニアにとって、他部門からのこうした疑いを晴らす作業は日常茶飯事だ。しかし、Amazon Web Services(AWS)などのクラウドサービスにシステムが移行したことで、この作業は困難になった。オンプレミスシステムのようにルーターにSSH(Secure Shell)接続してルーティングテーブルを確認するといった従来の手法は、AWSでは通用しない。

 仮想ネットワーク空間VPC(Virtual Private Cloud)、インスタンス単位の仮想ファイアウォール「セキュリティグループ」、アクセス分散装置「ロードバランサー」など、AWS内のインフラは複数のコンポーネントが絡み合っている。こうしたインフラでネットワーク構成の変更作業による影響を正確に予測することは困難だ。

 この課題を克服し、「ネットワークを壊さない変更作業」を実現する手法が、意図的なシステム障害を起こして耐障害性を検証する「カオスエンジニアリング」だ。クラウドインフラのネットワーク管理において、どのように「破壊」をテストに組み込み、レジリエンス(回復力)を構築すればよいのか。その具体的なステップを紹介する。

AWS Network Managerによる「ベースライン」の可視化

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