「改ざんに気付けない」リスクを解消
伊予銀行、Google マップの店舗情報管理工数を3~4割削減へ 改ざんの早期検知も
ITベンダーのカンリーは、伊予銀行が「カンリー店舗集客」と「カンリー店舗検索ページ」を導入したと発表した。同行の店舗150件の情報管理を一元化し、関連業務の工数を3~4割削減したという。
ITベンダーのカンリーは2026年8月18日、伊予銀行が店舗情報の一元管理・分析サービス「カンリー店舗集客」と、自社Webサイト内に店舗検索ページを構築できる「カンリー店舗検索ページ」を導入した事例を公開した。同行は、Google マップ上の店舗情報が意図せず変更されるリスクへの対応と、150店舗分の情報管理の効率化を目的に両サービスを導入。関連業務の工数を3~4割削減したという。本稿は、伊予銀行が抱えていた課題や、サービス導入の経緯を紹介する。
150店舗の情報を一元管理することになった理由
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伊予銀行が店舗情報管理の見直しに着手したきっかけは、Google マップ上で、同行の一部店舗の住所や電話番号が誤って表示されていたことだった。利用者からの指摘で初めて判明し、第三者による情報変更や異常を早期に把握できる仕組みがないことが課題として浮上した。
金融機関にとって、店舗の住所や電話番号、営業時間といった情報の誤りは、利用者の利便性だけでなく、銀行への信頼にも影響する。同行では「店舗情報は銀行側で責任を持って管理、コントロールする必要がある」と判断し、各店舗のGoogle マップのオーナー権限を取得するなど、管理体制の整備を進めた。
実質1~2人で150店舗を管理
一方、運用面にも課題があった。店舗情報の管理を担っていたのは実質1~2人で、150店舗分の情報を限られた人員で管理していた。
Google マップ上の情報は、担当者が能動的に確認しなければ変更に気付きにくい。知らないうちに情報が書き換えられていた場合でも、利用者から問い合わせや指摘を受けるまで把握できない可能性があった。
加えて担当部署は、店舗情報の管理だけを担っているわけではない。Webサイトの運営や大規模なシステム改修、Web広告、テレビCMを含む商品・サービスのプロモーション支援なども担当していた。複数業務を兼務する中で、全店舗の情報を人手で継続的に確認、更新することには限界があった。
同行はこうした状況を、単なるデジタルマーケティング上の課題ではなく「リスク管理」の問題と位置付けた。現場の担当者同士で議論を重ね、「利用者に正しい情報を届け、銀行としての信頼を守るために店舗情報を管理する必要がある」との認識を共有。その必要性を上層部に提案し、管理体制の強化を進めたという。
Google マップとWebサイトの「二重管理」を解消
そこで伊予銀行が導入したのが、カンリーの「カンリー店舗集客」と「カンリー店舗検索ページ」だ。
カンリー店舗集客の導入によって、各店舗のGoogle ビジネス プロフィール(Google マップに掲載されている組織の住所や電話番号などを入力、管理できるサービス、GBP)を一元管理できるようにした。従来はGoogleの管理画面で投稿やお知らせを配信する必要があり、複数店舗への情報発信や管理に手間がかかっていた。
さらにカンリー店舗検索ページを導入し、同行のWebサイト上にある店舗検索ページとGBPの情報を同じ基盤で管理できるようにした。
同行では以前から、既存の店舗検索システムとGBPの間で基本情報を連携する仕組みを設けていたものの、運用上はそれぞれのシステムを確認、管理する必要があった。2つのサービスを組み合わせることで、店舗情報の管理から情報発信までを一元化し、こうした二重管理、二重更新の負担を減らした。
その結果、関連する管理業務の工数を体感で3~4割程度削減できたという。店舗情報管理に費やす時間が減ったことで、商品・サービスの広告やプロモーション、Webサイトの改善といった業務に人員を振り向けやすくなった。
「改ざんされたことに気付けない」状態から脱却
業務効率化に加えて、同行が重視したのが情報変更の早期検知だ。
サービス導入後は、第三者による情報変更や異常をシステムで早期に把握できる体制を整えた。これにより、誤った店舗情報が長期間放置されるリスクを低減し、正確な情報を維持しやすくなった。
伊予銀行は、Google マップを単なる店舗への集客チャネルとは捉えていない。店舗の所在地や営業時間を調べる際に多くの利用者が使う重要な情報インフラと位置付けている。
そのため「どのチャネルから見ても正確な店舗情報が掲載されている状態」を維持することを、マーケティング以前のリスク管理と考えているという。現在は本部主導で各店舗の営業情報を管理するとともに、地方銀行としての情報発信を目的に週1回程度の投稿を続けている。
ツール選定では「運用支援」も重視
伊予銀行は導入に当たり、複数の類似サービスを比較した。カンリーのサービスを選んだ理由として、料金や費用対効果に加え、導入後の運用支援を挙げている。
導入当初は、GBPをどのように運用すべきか、何から着手すればよいかが明確になっていなかった。カンリーから日々の業務に落とし込みやすい具体的なアクションプランの提案を受け、運用を立ち上げたという。
同行は、Google マップの操作方法だけでなく、Web業界のトレンドやデジタルマーケティング全般に関する情報提供を受けられる点も評価した。複数のデジタル業務を兼務する担当者にとって、個別ツールの運用だけでなくWeb施策全体を踏まえた支援を受けられることが選定理由になったとしている。
伊予銀行は今後、Google マップやYahoo!マップでの情報管理、情報発信に加えて、Apple Mapsなど他の媒体への展開も視野に入れる。デジタル上の顧客接点が広がる中、店舗情報を継続的に正しく維持、発信する仕組みの整備を進める方針だ。
本稿は、カンリーが2026年8月18日に公開したプレスリリースを基に作成しました。
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