商談記録をSalesforceに蓄積
カインズがバイヤー業務に「bellSalesAI」を導入 選定の3つの決め手は
せっかく作成した商談記録が個人の手元にとどまっていてはもったいない。コンプライアンスの問題もある。カインズは、商品統括本部のバイヤーを対象に、「bellSalesAI」を導入したと発表した。選定の決め手は。
ホームセンター大手のカインズは、商品統括本部のバイヤーを対象に、ベルフェイスのSalesforce入力エージェント「bellSalesAI」を導入した。ベルフェイスが2026年8月20日に発表した。
カインズは、バイヤーが取引先との商談後に作成していた記録をAIで効率化するとともに、商談データを組織で共有、活用できる仕組みづくりを進める。複数のAI記録サービスを比較し、各事業部の代表者によるPoC(実証実験)を経てbellSalesAIを選んだという。
カインズがbellSalesAIを選んだ決め手は何だったのか。導入までに抱えていた課題と、評価した3つのポイントを紹介する。
bellSalesAI選定のポイントは
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カインズでは、全国の店舗でモバイル端末を活用し、売り場での情報検索や本部への改善提案をデジタル化している。こうした取り組みをバイヤー業務にも広げ、生産性向上につなげる構想を進めていた。全社的なAI活用の推進も重なり、バイヤー業務の変革プロジェクトが始まった。
その背景には、商談記録を巡る課題があった。取引先との商談内容をどのように記録、管理するかは担当者ごとに異なり、フォーマットは統一されていなかった。記録が個人管理にとどまることで、管理職が商談や交渉の状況をリアルタイムに把握しにくく、バイヤー個人が持つ交渉経験やノウハウも組織内で共有しにくかった。
価格交渉を含む取引先との協議内容を正確に記録、保存し、適切な取引を担保するというコンプライアンス上の課題もあった。
さらに、商談後の記録作成そのものがバイヤーの負担になっていた。従来は1社当たり約15分を要しており、週10社と商談する場合、バイヤー1人当たり週約150分を記録作業に費やす計算になる。
こうした時間を減らし、バイヤーが戦略立案や交渉、商品開発などに集中できるようにするため、カインズはAIを使った商談記録サービスの導入を検討した。
bellSalesAI導入の決め手となった3つのポイントは
カインズは複数のAI記録サービスを比較した上で、各事業部から代表者を選びPoCを実施した。bellSalesAIを選んだ理由は大きく3つあった。
理由1.Salesforceとの連携を前提に、蓄積したデータの活用まで見据えられること
カインズが目指していたのは、単に商談を文字起こしして記録作業を楽にすることではない。商談データをSalesforceに蓄積し、取引先情報や実績データとひも付け、商談分析やマネジメントに生かすことだった。
文字起こしを中心とするサービスもある中で、bellSalesAIはSalesforceとの連携を前提に設計されている。カインズは「記録すること」ではなく、その後に「データをどう活用するか」という将来像から逆算して選べる点を評価した。
理由2.要約する項目を業務単位で設計できること
バイヤーが担当する商品カテゴリーによって、取引先や商談内容、商談する場所は異なる。そのため、一律のフォーマットで要約するだけでは、実際の業務に合わない可能性がある。
bellSalesAIでは、業務に応じて要約項目を柔軟に設定できる。カインズは、商品カテゴリーごとの商談の違いに対応しながら、必要な情報を一定の形式で残せる点を評価した。
理由3.現場の負担を増やさずに使えること
bellSalesAIでは、録音から文字起こし、要約までを一連の流れで処理できる。PoCでは、各事業部から「負担なく使える」「業務に自然に組み込める」といった評価が得られたという。
新しいツールを導入しても、入力や操作が増えれば現場に定着しない。既存業務の流れを大きく変えずに商談記録を残せることが、本導入を後押しした。
「まず蓄積、次に活用、最後にAI」の3段階で変革
カインズはbellSalesAI導入を単独の業務効率化施策とは位置付けていない。バイヤー業務の変革を3段階で進める計画だ。
第1段階では、bellSalesAIを使って商談記録の作成を効率化する。担当者ごとにばらついていた記録品質を標準化し、商談内容を正確に保存できる状態を目指す。
次に、商談記録をSalesforceに蓄積する。取引先情報や実績データとひも付けることで検索性を高め、管理職による状況把握や意思決定に活用する。
その後、蓄積したデータをAIエージェントで活用する。将来的には「Agentforce」などを使い、過去の商談内容や実績を基にした商談準備や、次に取るべき行動の提案などを想定している。
つまり、「AIエージェントを導入してからデータを集める」のではなく、「まずデータを蓄積し、活用できる基盤を整えた上でAIを使う」という順番だ。
商談記録を「入力して終わり」にしない
bellSalesAIの導入によって、これまで個人管理になりがちだった商談内容を組織で共有しやすくなっているという。管理職も交渉状況を把握しやすくなり、必要に応じて助言やフォローを提供できる環境が整いつつある。
当初想定していた商談記録以外にも、部内会議やプロジェクトミーティングで利用されるなど、活用範囲も広がっている。蓄積された商談記録をベテランバイヤーの交渉ノウハウとして、新人教育に使うことも検討している。
本稿は、ベルフェイスが2026年8月20日に公開したプレスリリースを基に作成しました。
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