LINE運用の内製化で得た教訓
「配信に1カ月」の代償 カルビーがLINE運用で外部依存を断ち切った理由
マーケティング部門から寄せられる「もっと頻繁にLINEで配信したい」という要求。しかし外部ベンダー頼りの現状では1カ月もかかる。このジレンマを打破し、内製化を果たしたカルビーの手法とは。
「新しいキャンペーンをすぐに『LINE』で配信したい」という事業部門からの要望に、しばしばIT担当者は頭を抱えることになる。顧客の属性に応じたセグメント配信やメニュー画面の変更を実施するには、都度システム構築や外部ベンダーへの依頼が発生するケースがあるからだ。
食品メーカーのカルビーも同様の課題に直面していた。同社は新商品やイベント情報をLINE公式アカウントで発信してきたが、配信のたびに外部ベンダーとの調整やシステム構築が必要だった。その結果、企画立案から実施までに約1カ月を要し、配信頻度も月1、2回が限界という状態に陥っていた。
カルビーには顧客とのコミュニケーションを重視する土壌があり、現場で日々さまざまな企画が生まれている。しかし、外部ベンダーにシステム設定を依存する運用体制では、事業部門の求めるスピード感に追い付くことができなかった。タイムリーな情報発信を阻む“ベンダー依存”というボトルネックを、同社はどのように解消したのか。
素早い施策実行で得られた効果
カルビーは、ソーシャルデータバンクのCRM(顧客関係管理)ツール「Liny」を活用し、LINE公式アカウント運用の内製化体制を構築した。2026年8月5日、ソーシャルデータバンクが発表した。従来約1カ月かかっていた施策実行までの期間を短縮した他、属性や関心に合わせた配信によって顧客コミュニケーションを強化した。
カルビーは新商品や地域限定商品、イベントなどの情報をLINE公式アカウントで発信し、顧客との関係づくりに取り組んでいる。しかし従来の運用体制では、配信のたびに外部ベンダーとの調整やシステム構築が必要となり、企画から実施まで約1カ月を要していた。配信頻度も月1、2回に限られ、タイムリーな情報発信が難しい点が課題となっていた。
そこで自社主導でスピーディーに配信やキャンペーンを実行し、顧客データを継続的に蓄積・活用できる体制を整えるため、Linyの導入を決めた。ツールの自由度と拡張性の高さに加え、費用対効果や手厚いサポート体制も採用の決め手となった。
Linyの導入によって、「友だち」追加時のアンケート回答データをLiny内に保存し、回答内容に応じたセグメント配信が可能になった。回答数に応じてリッチメニューのキャラクターや特典が変化する参加型コンテンツなど、毎月参加できるキャンペーンを企画。トークリストや通知欄の文言改善、画像の視認性向上といった施策も継続して実施した。
一連の取り組みの結果、メッセージの開封率は約1.8倍、クリック率は2倍に向上した。参加型コンテンツの導入後は、1日当たりのアンケート回答数も約2.8倍に増加した。施策を迅速に実行できる体制が整ったことで、他部署や地域の営業支店に対してLINE活用を能動的に提案する動きも広がっている。
カルビーコーポレートコミュニケーション本部グループ広報部の伊藤奈美子氏は、「Linyの導入によってキャンペーンをすぐに実施でき、配信までの流れも把握できるようになった。お客さまとのコミュニケーションを軸に伴走してもらえるため、社内への提案にも積極的に取り組めるようになった」とコメントする。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHUB.News」に掲載された「カルビー、LINE運用内製化で施策を迅速化 開封率1.8倍、アンケート回答数2.8倍に」(2026年8月6日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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