部署横断の連携を阻む壁を打破
日経BPは「kintone」で“顧客情報がサイロ化”の絶望からどう脱出したか
部署ごとに異なるシステムを利用していた日経BPの営業部門。情報が分断され、組織的な提案活動が難しいという課題の解決策として「kintone」を導入した。現場の負担軽減とデータ活用の両立をどう実現したのか。
日本経済新聞グループの一員として幅広い専門メディアを展開する日経BPは、営業部門の構造的な情報分断に直面していた。部署ごとに異なる営業管理システムを利用した結果、顧客情報が分散して、過去の接点履歴を生かした組織的な提案活動が困難になっていたのだ。
この課題を解消するため、日経BPは2024年にSFA(営業支援システム)の刷新プロジェクトを始動させて、サイボウズが提供する業務改善システム「kintone」を導入した。営業情報と顧客情報を全社で一元化するとともに、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールとデータを連携させることで、多角的なデータ分析基盤を構築した。
部署ごとに異なる業務プロセスを持つ同社は、どのようなシステム構成で情報を共有して、AI技術を営業活動で利用しているのか。
現場の運用負荷軽減と、ノーコードによる自由度の高さが決め手に
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kintone利用事例
日経BPが抱えていた最大の課題は、専門メディアごとに細分化された部署間で営業管理の手法が統一されておらず、データがサイロ化していたことだ。情報を横断的に参照できない従来のシステム構成では、組織的な提案活動が難しく、効率的な営業活動を展開する上での制約になっていた。
そこで日経BPは、一部の部署で運用されていた既存のSFAを刷新して、全社的な情報共有体制を整備するプロジェクトに着手した。新たなシステムの選定には、事業特性の異なる部署ごとに細かな管理項目を設定できる「自由度の高さ」が強く求められた。
複数のシステムを比較検討する際には、運用に伴う現場の負荷軽減や、蓄積されたデータの検索性に配慮されている点を重視した。kintoneを採用した決め手は、プログラミングの専門知識を持たない現場の従業員であっても、業務要件に合わせてノーコードでアプリケーションを改修できる適応力だ。
複数アプリの併用と外部ツール連携で実現した多角的な分析体制
kintoneの導入によって、日経BPは営業情報と顧客情報を1つのシステムに集約して、全社規模でデータを活用するためのシステムを整えた。具体的には、営業活動の主軸になる「案件管理アプリ」を中心に、「企業マスタアプリ」と「活動記録アプリ」を併用する仕組みを構築。これによって、企業顧客の属性情報にとどまらず、過去の営業担当者による接点履歴まで、部署の垣根を超えて参照できるようになった。情報をスムーズに横連携できるようになったことで、営業活動の効率は大きく改善された。
蓄積されたデータの分析体制が強化されたこともメリットだ。kintone内のデータをBIツールに同期させる仕組みを構築して、営業実績や顧客動向の分析結果をリアルタイムで確認できるようにした。MAツールや名刺管理ツールといった外部システムとの連携も進めている。参照可能なデータソースが増加したことで、営業活動をより広範囲かつ多角的な視点から分析・検証できる体制が整った。
検索AIの活用による業務高度化とグループ全社への展開構想
システムによる情報の一元化に加えて、蓄積されたデータをより高度に活用するための取り組みも始まっている。kintoneのAI機能「kintone AI」を業務プロセスに組み込み、営業活動のさらなる効率化を推進している。
現場の営業担当者は、kintone AIの「検索AI」機能を活用することで、一元化された膨大な情報の中から必要なデータに素早くアクセスする。訪問予定の企業に関する過去の商談履歴や取引状況を横断的に調査する場面などで、検索AI機能が役立っている。
マネジメント層は「レコード一覧分析AI」機能を活用して、従業員の営業実績などを横断的に分析している。データに基づく客観的なマネジメント手法が取り入れられており、日経BPではkintoneを単なる業務効率化のための手段ではなく、社員の成長を後押しするシステムとしても期待を寄せている。
今後は、日々の営業活動において連携するグループ会社にも順次kintoneを導入する。グループ全体でSFAを統一することにより、運用に関わる費用を削減するとともに、営業プロセスの一層の効率化を見込む。
将来的には、社内に蓄積されている膨大なB2Cデータを管理するデータウェアハウスとkintoneを連携させる計画がある。消費者データと営業データを掛け合わせることで、見込み客の行動予測モデルを構築するなど、データ活用のさらなる高度化を目指す方針だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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