『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者』出張版
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
ITの基礎理論から経営・マネジメントまで幅広い知識が問われる国家資格「基本情報技術者試験」。IT担当者が直面しやすいテーマを取り上げ、図解を交えながら実践的な知識を解説します。今回は、システム障害や誤操作によるデータ消失リスクに備えるための、3つのバックアップ手法の違いと特徴を解説します。
「基本情報技術者試験」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する国家試験です。「ITエンジニアの登竜門」として知られていますが、ITの基礎だけではなく、プロジェクトマネジメントや経営戦略、関連法規、会計など、ITをビジネスに活用するための幅広い知識が問われるのが特徴です。そのため、エンジニアのみならず、企業のIT担当者やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関わるビジネスパーソンにとっても、実務に直結する知識を体系的に学べる資格として重要視されています。
本記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』(高橋 京介 著)から、IT担当者が日々の業務で直面しやすい重要テーマをピックアップし、図解を交えながら解説します。今回は、システム障害や誤操作によるデータ消失リスクに備えるための、3つのバックアップ手法の違いと特徴を解説します。
バックアップ
システムには、業務上とても大切なデータが多数保存されています。そのため、データをしっかりと守ることが大切です。システムも機械なので、いつかは故障します。また、ユーザーの誤操作も完全には防げません。
システムが壊れないように運用することや、ユーザーが誤操作をしないように操作マニュアルを整備することも重要ですが、それよりも重要なのが「万が一、データが破損・消滅した場合でも、そのデータを元に戻せるように準備しておくこと」です。そのためには「バックアップ」と呼ばれる作業が必要です。
バックアップとは
バックアップとは、通常使用している補助記憶装置とは別の補助記憶装置上にデータの予備を取っておくことです。基本情報技術者試験で出題されるのは「フルバックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」の3種類です。
フルバックアップ
フルバックアップ(完全バックアップ)とは、常にすべてのデータをバックアップすることです。
フルバックアップのメリットの1つに「作業の簡易さ」が挙げられます。フルバックアップでは常に全データがバックアップされているので、システム障害が発生した際には、最新のバックアップデータを使うだけで、システムを元の状態に戻すことができます。
ただし、フルバックアップでは常にすべてのデータをバックアップしなければならないので、データ量が多い場合には、バックアップの作成に時間がかかります。
差分バックアップ
差分(さぶん)バックアップとは、フルバックアップ以降、新たに追加されたデータのみをバックアップすることです。バックアップするのはフルバックアップからの追加分だけなので、バックアップにかかる時間は短いです。反面、復旧にはフルバックアップと差分バックアップの2つのデータが必要になるので、復旧作業が煩雑になります。
下図は、日曜日にフルバックアップをとり、月曜日から水曜日までの毎日、差分バックアップをとった状態を表しています。例えば、水曜日にデータベースを復旧する場合は、日曜日のフルバックアップと水曜日の差分バックアップの2つのデータを使って、システムを元の状態に戻します。
増分バックアップ
増分(ぞうぶん)バックアップとは、前回のバックアップから新たに追加されたデータのみをバックアップすることです。バックアップするのは前回のバックアップからの追加分だけなので、バックアップにかかる時間は差分バックアップよりもさらに短いです。反面、バックアップのデータが複数になるので、復旧作業が差分バックアップよりもさらに煩雑になります。
下図は、日曜日にフルバックアップをとり、月曜日から水曜日までの毎日、増分バックアップをとった状態を表しています。例えば、水曜日にデータベースの復旧を行う場合は、日曜日のフルバックアップと月曜日、火曜日、水曜日の増分バックアップの4つのデータを使って、システムを元の状態に戻します。
※この記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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