全社統一指標で挑むDX人材の最適配置
TOPPAN「8000人のスキル可視化」 “バラバラな育成”が招く埋没リスクの回避術
「DX人材が足りない」を解決するには、DX人材の育成に注力するのが手っ取り早い。TOPPANが8000人を対象に断行した、「失敗しない育成戦略」とは。その舞台裏に迫る。
TOPPANホールディングスは、デジタル人材の育成および戦略立案を目的に、STANDARDのDXアセスメント・個別教育ツール「TalentQuest」を採用した。2026年2月4日、STANDARDが発表した。経済産業省が定義する「デジタルスキル標準(DSS)」を全社統一の指標として導入し、グループ全体で約8000名のスキル可視化を完了した。客観的なデータに基づく分析により、専門人材の育成や組織全体のデジタルリテラシー向上に向けた議論を前進させる。
TalentQuestの選定理由や導入効果
TOPPANホールディングスは、幅広い事業展開に伴う多種多様な職種を抱えており、グループ全体のDX人材育成指標の統一と可視化が課題となっていた。従来は事業や部署単位で個別の施策を行っていたため、異なる指標が混在し、全社横断での比較や分析が困難な状況にあった。
こうした背景から、同社は経産省のDSSを「共通言語」として活用することを決定。同基準に準拠し、スキル診断から教育までをワンストップで提供できるTalentQuestの導入を決めた。選定にあたっては、知識と行動の両面から客観的に測定できる点や、診断結果に基づいて必要なマイクロラーニングを自動で提案する「個別学習機能」を備えている点を評価した。
導入プロジェクトにおいて、STANDARDは2024年7月から約4ヶ月間にわたり伴走支援を実施した。同社の要望を受け、TalentQuestに知識確認ができる新機能を実装したほか、2024年12月にはグループ全社員を対象にアセスメントを展開。2025年1月から3月にかけて、約8000名分のデータを対象に多角的な分析を行った。
導入の効果として、DSSを基準とした統一指標により、業界比較や部署別、役職別といった多角的な視点でグループ固有の傾向や論点が整理された。これにより、専門人材育成の検討材料が明確化された。また、アセスメントと連動したeラーニングの実施により、受講後のスコア平均が2点上昇するなど、デジタルリテラシーの底上げにも寄与している。受検者からは、自身の強みや不足スキルが明確になったことで学習意欲の向上につながったとの声が上がっており、自律的な学びのサイクルが回り始めている。
TOPPANホールディングス技術戦略部門の担当者は、「デジタルスキルを全員が装備すべき素養と認識している。客観的な指標で現在地を知り、必要な学びが提供されるサイクルこそが、組織全体の底上げに不可欠だ。今後はこの解像度の高い地図を活用し、さまざまな施策の検討に繋げていきたい」としている。
今後は、可視化されたデータを基盤として、将来の中核を担う層の育成や現場でのデジタルツール活用の促進など、組織変革に向けた取り組みをさらに深化させていく。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「TOPPAN、全社員8000人のDXスキルを可視化 共通指標の導入で育成戦略を加速」(2026年2月4日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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