限界を迎える空冷データセンター
AIの深刻な“排熱問題” 空調電力を10分の1に圧縮した「水冷GPU」とは
データセンター運営事業を手掛けるゲットワークスは、Dell製水冷サーバの導入によって、省電力と限られた空間での高密度実装を両立させた。いかにして水冷インフラを迅速に構築したのか。
生成AIのビジネス活用が急速に進む中、計算処理を担うGPU(グラフィックス処理装置)サーバが発する大量の熱と消費電力の増加が、データセンター運営における大きな足かせになっている。従来の空冷方式では高性能GPUの発熱を十分に冷却することが難しくなりつつあり、安定稼働と運用費用の削減をいかに両立させるかがデータセンター業界全体の課題だ。
コンテナ型データセンターの開発や再生可能エネルギーを活用した施設運営を手掛けるゲットワークスが、水冷コンテナデータセンターの中核設備としてDell Technologiesの水冷GPUサーバ「Dell PowerEdge XE9680L」を導入した。同製品は、NVIDIAのGPU「NVIDIA HGX B200」を最大8基搭載できるスペックを備えている。
Dell PowerEdge XE9680Lの導入によって、ゲットワークスはシステム全体の消費電力を空冷GPUサーバと比較して最大約30%削減した。水冷化によってコンテナ内の温度変化を最小限に抑えることで、空調にかかる電力を約10分の1にまで大幅に圧縮することにも成功している。
空調電力の削減にとどまらない水冷化の恩恵とは。供給不足が続くGPUサーバ市場において、ゲットワークスが直面したハードルと解決策を紹介する。
NVIDIA製GPUの熱課題を克服
水冷GPUサーバの導入は、電力削減以外にもデータセンターの運用インフラに大きな恩恵をもたらした。サーバの設置スペースは従来の空冷GPUサーバの2分の1以下に縮小され、限られたコンテナ内の空間でより多くのサーバを稼働させる高密度なコンピューティングシステムを実現した。冷却ファンによる騒音を約40%低減し、施設内の保守担当者の作業性や居住性を向上している。ゲットワークスの施設の立地条件である井戸水や河川水を活用した自然冷却システムと、省電力性能に優れたDell PowerEdge XE9680Lを組み合わせることで、自然環境への負荷のさらなる低減も図っている。
高性能GPUを搭載した水冷サーバは2026年現在、市場での供給が慢性的に制約されている。ゲットワークスが本製品を採用した最大の決め手は、グローバルサプライヤーであるDell Technologiesの迅速な製品供給力にあった。
シビアな温度管理が求められる水冷のシステム構成において、Dell Technologiesのサーバ管理機能「iDRAC」(Integrated Dell Remote Access Controller)がゲットワークスの既存の管理ツールと連携し、リアルタイムでの状態把握や温度監視体制を構築できた点も採用理由になった。重量のある水冷GPUサーバの搬入から設置に至るまで、デル・テクノロジーズによる一貫した導入支援サービス「Rack Integration Service(RIS)」が提供され、現地調査を含めた迅速なインフラ構築を実現している。
ゲットワークスで事業統括部長を務める林 竜太朗氏は、「コンテナデータセンター内の空間には限りがあるため、同じスペースにより多くのサーバを設置できるのは非常に大きい。高密度な実装や大幅な省電力、省スペース化を実現し、生成AI時代における新たな可能性を切り開いてくれた」と評価する。
デル・テクノロジーズで執行役員を務める毛利祐介氏も「日本はAI技術の発展において転換期を迎えており、効率的に拡張可能なインフラが、この分野をリードする企業を決定づける」と述べる。その上で、今回の液冷式GPUシステムの構築が生成AIを大規模に利用可能にするための重要な手段になると強調する。
ゲットワークスは今後、国内各地に水冷コンテナデータセンターを展開し、それらを仮想的に結ぶことで自由度が高く持続可能なインフラ構成を構築する構えだ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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