Interview
仮想アプライアンスがLinuxの普及を後押しする――ヴイエムウェア幹部
構成済みのアプリケーションとOSを仮想マシン内にパッケージする「仮想アプライアンス」はLinuxをベースにしているものが多いが、それを意識せずに使うことができる。
サーバ仮想化は、すべてのOSに平等な機会を与えるプラットフォームを実現するが、その一方で企業へのLinuxの普及に追い風をもたらしており、今後ももたらし続ける――。ヴイエムウェアのデータセンター製品担当ディレクター、パトリック・リン氏はそう考えている。
リン氏は先ごろTechTargetの取材に応え、ヴイエムウェアのこれまでのLinuxとのかかわりや、仮想化によってLinuxへの移行がいかに容易になるか、Linuxのどのような特徴がアプリケーションの生産性に貢献するかについて話した。同氏はまた、仮想アプライアンスが、仮想環境におけるOSの無秩序な増加の抑制に果たす役割についても説明した。
サーバ仮想化は、すべてのOSに平等な機会を与えるプラットフォームを実現するが、その一方で企業へのLinuxの普及に追い風をもたらしており、今後ももたらし続ける――。ヴイエムウェアのデータセンター製品担当ディレクター、パトリック・リン氏はそう考えている。
リン氏は先ごろTechTargetの取材に応え、ヴイエムウェアのこれまでのLinuxとのかかわりや、仮想化によってLinuxへの移行がいかに容易になるか、Linuxのどのような特徴がアプリケーションの生産性に貢献するかについて話した。同氏はまた、仮想アプライアンスが、仮想環境におけるOSの無秩序な増加の抑制に果たす役割についても説明した。
―― ヴイエムウェアは幅広いOSをサポートする姿勢を取っていますが、仮想化とLinuxには特別な相乗効果があると思いますか。
リン 両者は非常に補完的です。ヴイエムウェアが初めて市場に投入した製品、つまりVMware Workstationの最初のバージョンも、実はLinuxベースでした。
多くの場合、仮想化を利用することで、あまりリスクを冒さずにOS環境を切り替えることができます。レガシーシステムのリホスティングはその一例です。また、主にWindowsを使っている企業がLinuxを試したいという場合も、仮想化が役立ちます。そのための最も安全で、既存システムへの影響が少ない方法の1つは、仮想インフラ上にLinux VM(仮想マシン)を構築することです。
仮想化により、そうしたLinuxのインスタンスを既存環境から完全に隔離できます。パフォーマンスなどあらゆる面で、両者の間で相互に影響はありません。そしてヴイエムウェアの仮想化製品では、目的のOSを、変更を加えることなくゲストOSとして利用できます。企業は任意のタイプのLinuxを選んで運用できるわけです。これらにより、Windows中心の環境にLinuxが格段に導入しやすくなります。
―― 仮想マシンをLinux上で運用する場合と、ほかのOS上で運用する場合とでは、違いがありますか。
リン ありません。どちらの場合も同じように運用できます。しかし、仮想環境はLinuxを利用するのに適しています。その一因は、Linuxには多くのバリエーションがあり、非常に速いペースでアップグレードされていることにあります。仮想化により、自社のアプリケーションに最適なOSを選ぶことができるのです。
企業は物事をシンプルにするために、インフラの標準化をかなり重視しますが、これは、アプリケーションの要件に最も合ったOSを使うようにしたいという彼らの意向と相反する面もあります。
仮想化を利用すれば、企業は仮想ハードウェアレベルで標準化を図りながら、OSの実際のバージョンやベンダーについては選択を行うことができ、それに伴う違いに悩まされることはありません。
―― 1つの環境でLinuxの複数のバージョンを運用することは、仮想化に伴う潜在的な問題として指摘されている、OSの無秩序な増加につながるのではありませんか。また、Linuxディストリビューションの機能を向上させるアップデートが頻繁に行われることによって、さまざまなディストリビューションを併用する環境では管理負担が増えませんか。
リン そうしたきらいがあるのは確かです。しかし、仮想アプライアンスがこれらの問題を軽減するのに役立ちます。仮想アプライアンスは、あらかじめ構成済みのアプリケーションとOSを仮想マシン内にパッケージしたものです。
仮想アプライアンスでは、ソフトウェアのこうしたさまざまなレイヤや、それらの構成、あるいはパッチを当ててそれらを最新に保つといったことなどを気にかけずに済みます。仮想アプライアンスはすぐに使えるようになっており、導入は仮想マシンと同じように簡単です。企業は本来の関心事であるアプリケーションの活用に集中でき、アプライアンスのそのほかの要素は、アプライアンス側に任せておけば円滑に機能します。
―― ITアプライアンスの分野では、Linuxが常に重要な役割を果たしてきたと思いますが、いかがですか。また、ヴイエムウェアが最近実施した仮想アプライアンスコンテストでは、応募作はLinuxベースのアプライアンスが多かったのでしょうか。
リン どちらもその通りです。
現在のハードウェアアプライアンスを見ると、そのほとんどがLinuxをベースにしていますし、ハードウェアアプライアンスは最初からそうでした。Linuxは非常に再配布しやすい上、アプリケーションの要件に応じて機能を簡素化できるからです。これらのメリットは仮想化の分野でも利用できます。
われわれの仮想アプライアンスコンテストの受賞作の1つとして、Sieve Firewallがあります。これはLinux上で動作する仮想ファイアウォールアプライアンスですが、Windowsのインタフェースで利用できるようになっています。VM内のISOイメージから起動される仕組みです。
どういうことかと言うと、まず、Sieve FirewallはISOから起動されるという点で、仮想化の特徴を活用しています。CD-ROMとして動作するため、Sieve Firewallには書き込みができません。また、この仮想アプライアンスはLinuxベースですが、それを気にする必要はありません。想定ユーザーはWindowsのインタフェースの方が快適に使えるという人で、Windows的なインタフェースが提供されています。したがって、Windows管理者はLinuxを学ぶ必要はなく、簡単にセットアップできます。
仮想アプライアンスと仮想化のおかげで、Linuxはこれまで以上に広く浸透していくでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質を両立、DONUTSが実践する「ハイブリッドなQA体制」の構築術 -
製品レビュー
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質は両立できる? DONUTSの「ジョブカン」に学ぶQA戦略 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 生成AI活用のためのテクノロジー基盤、構築に際しての7つの検討事項とは? -
製品資料
[レッドハット株式会社] ビジネスの現場へのAI導入と活用、何から始めてどのように進めるべきか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
4
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
5
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
6
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
7
「RAGの利用」に関するアンケート
-
8
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
Nutanix+Everpure構成の実力は? 既存資産を生かす「脱VMware」の検証
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
7
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
8
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
9
複雑な組織構造で一度は頓挫した電子化、東京女子医科大はどう全学展開したか
-
10
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー