シャットダウンせずにバックアップするには
Microsoft Virtual Serverのバックアップ――注意点と対策
一筋縄ではいかないMicrosoft Virtual Server 2005のバックアップ方法を幾つか紹介する。
Microsoft Virtual Server 2005 R2でのバックアップは、.VHDファイルのサイズと特殊な性質のせいで、面倒な手順が必要になる。この手順を踏まずに、.VHDファイルを単純な方法でバックアップするのは危険だ。
だが、仮想マシン(VM)上でバックアップソフトウェアを実行し、VM上のすべてのデータをバックアップすることも可能だ。実は多くの人がこうしている。この場合、各VMにバックアップソフトウェアをインストールして保守するという手間が加わるほか、サードパーティー製のバックアップソフトを使うのであれば、そのライセンスも追加購入しなければならないにもかかわらずだ。
これに対し、.VHDファイル自体を外部からバックアップするのは一筋縄ではいかない。稼働中の仮想コンピュータのバックアップコピーを作成した場合――開いているファイルのスナップショットコピーの作成に利用できるVolume Shadow Copyサービスを利用したとしても――その仮想コンピュータは、リストアして再起動することはほぼ問題なくできるが、想定通りに動作する保証はない。システムの稼働中に.VHDのスナップショットイメージを作成すると、仮想コンピュータのデータの一貫性が保たれないからだ。書き込みがディスクにコミットされていない、あるいはプログラムの設定が変わってしまっている、といった可能性がある。
4sysops.comブログの筆者は、スナップショットを作成するバックアップ方法を試した。同氏はBackup Exec(シャドウボリュームをサポートしている)を使用し、まさにこの問題にぶつかった。このバックアッププロセスでは、VMのメモリ内容が無視されてしまうという。実のところ、これはサードパーティーのバックアップソフト側の問題ではない。現在、Windows対応のほとんどのバックアップソフト、特にサーバレベルのバックアップソリューションは、シャドウコピーをサポートしているからだ。シャドウコピーサブシステムが、仮想サーバのメモリ内容を認識していないだけなのである。
これは、Virtual Serverが稼働しているマシンの一貫したバックアップを実現する上で重大な問題だ。この問題を回避するには、すべてのVMをシャットダウンし、バックアップを実行し、再起動するというステップを踏むしかないようだ。だが、継続的な可用性が要求される場合、これは有効なソリューションではない。
今のところ、こうした場合に対応できる確実な方法は1つしかない。VMを完全にシャットダウンする代わりにサスペンドし、シャドウコピーを作成し、システムをレジュームし、.VHDのシャドウとサスペンド情報の両方をバックアップするというものだ。こうすれば、システムのメモリ内容もハードドライブのコピーとともにバックアップされる。これらのファイルをバックアップからリストアすれば、システムは何事もなかったかのように起動できる(そしてきちんとシャットダウンできる)。
このプロセスはVMのバックアップ方法として利用できるが、明らかな制約が1つある。バックアップするVMを前もってサスペンドしなければならないことだ。もっとも、実運用中のVMのサスペンドとレジュームに要する時間は、VMを完全にシャットダウンする場合の時間に比べればごくわずかだ。VMのサスペンドとレジュームにかかる時間が大きな問題にならない実運用環境では、このプロセスは、ソフトウェアを別途購入しなくても完全なバックアップを行える便利な方法だ。
そこで気になるのは、このプロセスを自動化できるかだ。答えはイエスで、幾つかの方法がある。例えば、ジェフ・トランブル氏は、任意のコンピュータ上で稼働する各仮想サーバをサスペンドし、シャドウコピーを作成し(Volume Shadow Services SDKに含まれるVSHADOW.EXEユーティリティを使って)、そのファイルをバックアップするVBScriptを作成した。このVBScriptは、実行する前に、変数DestBackupDirにバックアップ先ディレクトリを指定しておかなければならない(変数名はこの役割を表している)。だが、バックアップ先ディレクトリの場所は、SANドライブ、ネットワーク接続ドライブ、別のローカルハードドライブなど、ほぼどこでも構わない。この方法では、マシンのバックアップに伴うダウンタイムが最小化されると考えられる。基本的に、対象マシンのサスペンドとレジュームにかかる時間だけで済むからだ。
だが、これが最高のソリューションではないのは明らかだ。Virtual Serverの究極のバックアップソリューションは、VMのメモリ内容のシャドウコピーも作成するものだろう。しかし、当面のところ、そのための方法は分かっていない。暫定策として最も有効なのは、オフピーク時に定期的なダウンタイムを確保し、各仮想サーバのシャドウコピーを作成できるようにすることだ。
本稿筆者のサーダー・イェグラルプ氏は、1994年から2001年まで、ITに関する幅広いトピックの記事をWindows Magazineに寄稿した。現在、Windows NT、Windows 2000、Windows XPに関する専門知識と経験を生かして、The Windows 2000 Power Users Newsletterを発行するとともに、TechTarget米国版に技術コラムを寄稿している。
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