まだ費用として高過ぎる?
SOX法初年度の費用、予想を大きく下回る
中小規模の公開企業が初年度に支払ったSOX法コンプライアンス費用は、SECなどの予想を大きく下回るという調査結果が発表された。
米サーベンス・オクスリー法(SOX法)の第404条(a)と第404条(b)順守のために中小企業が払っている費用は、平均で専門家の予想を約14%下回り、中小企業保護派が主張していたよりはるかに少ないことが、最新の調査で分かった。
SOX法調査・コンサルティング会社の米Lord & Benoitの調べによると、中小規模の公開企業(時価総額7500万ドル未満)が初年度に支払った経営評価と追加監査の費用は平均7万8474ドルだった。これは米証券取引委員会(SEC)が予想していた9万1000ドルを13.8%下回った。
「費用の収拾がつかなくなるといううわさは、この報告書で一掃されると思う。この報告書にある数字が実際に掛かった費用であり、これまで掛かると言われてきた金額からはほど遠い」。Lord & Benoitのロバート・ブノア社長はこう話す。
Lord & Benoitの報告書「The Sarbanes-Oxley Investment: A Section 404 Cost Study for Smaller Public Companies」は、製造、流通、金融、バイオテクノロジーなど12業界の中小企業29社と、公開企業約5500社が報告した実際の監査料の分析結果に基づいている。
SOX法は、EnronやWorldComなどの巨大企業を破滅に導いたような企業会計スキャンダルを防ぐ目的で、2002年に制定された。404条では公開企業に対し、内部統制についての説明と、社外の監査人による統制の証明を義務付けている。
SOX法反対派は最初から、中小企業にとって不釣り合いに高い費用が掛かることになり不当だと主張していた。下院小規模企業委員会などからの圧力を受け、SECは中小公開企業の404条順守期限を先延ばしにした。しかしSECは2007年を通じて中小企業に対し、これ以上の期限延期はないとくぎを刺し、大企業と同様にSOX法に取り組むよう促していた。その後12月にはSECのクリストファー・コックス委員長が、監査義務について定めたSOX法404条(b)適用を2009年まで延期することを認め、中小企業にさらなる猶予を与えた。
しかし、中小企業の実際のコンプライアンス費用をめぐっては論議もある。下院小規模企業委員会などが用いた数字は「高いことで有名」で、推定にすぎないとブノア氏は言う。
一方、下院小規模企業委員会の委員長を務めるニディア・バレスケス下院議員が最近発表した報告書では、小規模企業のSOX法順守費用は純利益の最大3%に上る可能性があると指摘した。ただ、バレスケス議員でさえもSECに対し、小規模企業のコンプライアンス費用について具体的な推定額を提示するよう求め、12月12日付のプレスリリースで「確固としたデータがなければ、こうした規制が小規模の公開企業と経済に与え得る影響について、真に理解することはできない」と述べている。
内部監査・統制専門サービス企業Jefferson Wells Internationalなども、中小企業が初年度に費やすSOX法コンプライアンス費用は10万~数十万ドルになると予想していた。
SEC法令の専門家の中には、7万8000ドルにしても10万ドルにしても、まだ費用として高過ぎるとの見方もある。
米AMR Researchのアナリスト、ジョン・ハガティ氏は言う。「顧客などとの会話から集めた情報から言えるのは、費用が15%減るのは結構だが、それでもまだ相当の額だということだ。これでもまだけた違いだ。不満が出ないようにするためには、2万5000~3万5000ドルにまで落とす必要がある」
しかも、こうした調査結果に押されてSECが期限について考え直すことはなさそうだ。「SECがいったん決めた方針を撤回することはないだろう」とハガティ氏は話している。
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