製造業の5つの「S」を借用
SOA活用のための5つの原則
ITにとってのSOAは、製造業にとってのマスカスタマイゼーションかもしれない。活用するためには教訓も必要だ。
IT問題を一挙解決できると称する技術が現れては消えていくのを見てきたので、新しい打開策が見つかったと言われても、わたしは簡単には信じない。しかし、サービス指向アーキテクチャ(SOA)は約束通りのことを実現できるもののようだ。わたしがSOAに希望を持っているのは、ITにとってのSOAは、製造業にとってのマスカスタマイゼーションになる可能性があるからだ。
マスカスタマイゼーションでは、完成に近い標準的な製品を在庫として少数持ち、できるだけ顧客に近い所で、そしてできるだけ遅い段階で組み立てる。この標準パーツの在庫から、顧客の要望に合わせてほぼ無数の組み合わせの製品を組み立てることができる。例えば少数のレゴ(LEGO)ブロックを組み合わせて驚くほどバラエティに富んだ「製品」が作れることを考えてみるといい。われわれ優秀なIT族が、優れた設計の考え抜かれたサービスを必要に応じて必要なときに組み合わせれば、何ができるか想像してみてほしい。
もしSOAがIT版のマスカスタマイゼーションなら、製造業者がマスカスタマイゼーションを導入するに当たって学んだ教訓を、われわれも学ぶべきだと納得がいく。優秀な製造業者は、マスカスタマイゼーションを活用するためには自分たちのやり方を見直す必要があることを学んだ。SOA技術が約束する恩恵を受けるためには、われわれもまた自分たちのやり方を洗い直す必要が生じるだろう。幸い、われわれは製造業者が学んだ教訓を学習することができる。「製造業の基本原則となる5つの『S』」を借用すれば、ITの業績アップも可能なことをわたしは発見した。5つのSとは以下の通り。
- 整理(Sort)
- 整頓(Set in order)
- 清掃(Shine)
- 清潔(Standardize)
- しつけ(Sustain)
この5原則のうち、最も大切なのは整理だろう。きちんと整理するために基準を定め、すべてのことにその基準を使う。コードベース全体をサービスに切り替えるよりも、ITとSOAに当てはめて、まず有意な基準を定め、それからその基準に従ってコードを整理しなければならない。例えば利用状況、標準となっているアーキテクチャ、あるいは幾つかの組み合わせで仕分けしてもいい。
もし何カ月も使っていないコードベースがあれば、それはSOA化する価値はないかもしれない。あるいはCOBOLコードエレメントをサービスとすることに投資するのは考え直した方がいいかもしれない。
基準ができたら最初の仕分けを行って手持ちのものを整理する。わたしは大抵、3つの「山」に分けている。必要だと分かっているもの、必要ないと分かっているもの(これは消極的管理、または廃棄可能性の山に入れる)、そしてはっきり決められないものの3つだ。
はっきり決められないものについては保留に分類する。数週間または数カ月たってもまだ保留に入っていたら、消極的管理/廃棄の山に移すということを続ける。こうして在庫を整理し、そうする価値あるもののみに投資してSOA化する。加えて5つのSには付随的に、シンプル化というメリットもある。自分の貴重なITリソースのうちどの程度が、手間を掛けるに値しないシステムを支えているのだろうか。
整理の基準は自分たちで決めてはいけない。会社側と密に連携し、何をどのように整理するのかを教える必要がある。わたしが最初に5つのSをITに応用しようとしたときは、まず協力して基準を定めることなしに整理するという過ちを犯した。現在のシステムのうち、重要なものはどれかと尋ねると「全部」という答えだった。そこでもう一度やり直して、われわれは1年半以上使っていないものは「重要未満」にすると決めた。その結果、最初は重要とされていたシステムのうち、ほぼ20%がこの新カテゴリに入ることが分かった。
SOA計画の立案に当たっては、SOA投資のメリットがあるコードベースに取り組みを集中すれば、業務を最適化することが可能だ。
本稿筆者のニール・ニコライゼン氏は米HeadwatersのCIO兼戦略プランニング担当副社長。
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