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イングランド銀行CIOが語る銀行ITの課題Google的アプローチは不可能

銀行のIT部門が直面する課題について、英国中央銀行であるBank of Englandのジョン・フィンチCIOに聞いた。

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 ジョン・フィンチ氏は2013年9月に英Bank of England(訳注)のCIOに就任した。それ以前は英Experianに勤めていた。「Bank of Englandに入ったのはさまざまな経験を積み、多種多様な人物と出会う大きなチャンスだったから」と同氏は話す。

訳注:英国の中央銀行。正式名称は「the Governor and Company of the Bank of England」。

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 Bank of Englandは非常に守旧的組織と考えられている。実際、ITの面でも「民間企業とは異なり、リスクを負うことに保守的だ」とフィンチ氏は語る。

 とはいうものの、同氏によれば、Bank of Englandは財政政策を決める際に利用されるデータを収集する分析テクノロジーには多額の投資を行っている。「分析は当行の重要な業務の1つだ。われわれが収集したデータを経済学者が計量経済モデルに利用することもある。市販の標準分析ツールにも時系列データや傾向分析を提供するものがあるが、当行が利用しているのは高度な分析システムだ。このシステムは、当行に目を向ける人々、経済、金利の決定者に情報を提供できるだけのデータを収集している」と同氏は語る。

 同行のIT部門は、このような財政政策を支える分析業務に加えて、大規模勘定システムなどの銀行業務も担っており、銀行間決済を処理する重要な国家的インフラを運用している。「当行には国の中央銀行としてのさまざまな銀行業務があり、為替市場、金融市場、同業者市場などでも積極的に活動している」とフィンチ氏は話す。

銀行業務におけるIT部門の課題

 決算銀行や民間銀行は、買収を通じて大きな組織に成長している。さまざまなシステム製品が複雑に組み合わされ、老朽化したテクノロジーも多数存在する。その結果、リテール銀行が新しい製品をリリースする場合には、こうしたテクノロジーに大きな負荷が掛り、銀行業務に大量の要件が生まれるとフィンチ氏は語る。

 このような課題に加え、信用の下落によってコンプライアンス、法律、監督業務などが増え、これら全てがIT部門に課題としてのしかかっている。

 国民の資産形成を援助する「Help to Buy」(住宅購入支援)プログラムなどの政府の新政策により、銀行は新しい住宅ローン製品を生み出す必要がある。この住宅ローンシステムでは担保基準値を計算する新しい方法を考慮しなくてはならない。「これは銀行業界で働く技術者にとっては非常に難しい(IT)環境だ」と同氏は語る。

 銀行は、他の業界と同じく、レガシーシステムに頼るところが多い。だが「レガシーシステムに戻って作り直すことはできない」と同氏は話す。主な理由は変化の速さだ。「システムは成長しており、新しい分野に力を注ぐ必要がある」

 スペインのバルセロナで最近開催されたGartner Symposiumで盛んに議論されたトピックの1つが「Two-Speed IT」(2速IT)だ。これは、IT部門の革新的な業務と中核をなす業務を分離する必要があることを意味している(訳注)。

訳注:本誌1月22日号:Amazon Web Services vs. Google収録の「B2C企業が生き残るためには2人のCIOが必要」で本件について解説している。

 同氏によれば、Bank of Englandの決済システムは中核業務のITシステムである。

続きはComputer Weekly日本語版 2014年2月5日号にて

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