2014年、読者が最も検索したセキュリティキーワードは?:2014年 検索キーワードランキング(セキュリティ編)
セキュリティ関連の事件/事故が相次いだ2014年。読者が最も気になったセキュリティキーワードとは何だったのでしょうか。2014年に検索されたセキュリティ関連キーワードのトップ10を紹介します。
ランキングの作成方法
検索エンジンからTechTargetジャパン記事へのアクセスについて、入力されていた検索キーワードを一覧にし、セキュリティ分野の製品名や、「セキュリティ」「安全性」といった語句を含む検索キーワードをセキュリティ関連としてピックアップ。上位10件の検索キーワードからランキングを作成しました。
「リスクマネジメント」が検索数トップに
重大な脆弱性の発覚や情報漏えい事件が相次いだ2014年。上に示したのは、最も検索されたセキュリティ関連のキーワード上位10件のランキングです。事件や事故から製品/技術まで、幅広いキーワードが集まりました。
1位となったのは「リスクマネジメント」でした。スマートデバイスやクラウド、ソーシャルなど、企業の情報システムを取り巻く環境が多様化する中、新たなセキュリティリスクが顕在化しています。TechTargetジャパンでも、2014年にはさまざまなセキュリティリスクに関する話題を扱いました。連載「“炎上”“風評”が変える企業のリスク管理」では、企業が対処すべき新たなリスクの代表格であるソーシャルメディアのリスクに注目。ソーシャルメディアのトラブルは、コンシューマーの間だけではなく、企業にも影響を及ぼすことを、実例を通して示しています。
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「OneDrive」やモバイルセキュリティに注目
2位は、米Microsoftのオンラインストレージ同期サービス「OneDrive(旧称:SkyDrive)」のセキュリティでした。「Dropbox」をはじめ、コンシューマー向けのオンラインストレージ同期サービスを個人で便利に利用している従業員は多いでしょう。その利便性を業務でも生かしたいという声が高まるのも自然な話です。とはいえ、重要な情報を手軽にオンラインで共有してしまうと、情報漏えいにつながる可能性は否定できません。
2014年は、特に「Windows 8.1」に標準機能として組み込まれているOneDriveのセキュリティ対策に、多くのユーザー企業が注目しました。最近では、認証機能やログ機能などを追加、強化した企業向けのオンラインストレージ同期サービスも登場しており、導入を検討する企業が増えるものと考えられます。
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3位には「モバイルデバイス管理(MDM)」、5位には「Surface」が入り、スマートデバイスのセキュリティ対策にも大きな関心が寄せられました。MDM製品は最近では、モバイルアプリケーション管理(MAM)、モバイルコンテンツ管理(MCM)といった機能を備えたスイート製品が充実する一方、機能を絞って1ユーザー当たり100円台以下で利用できる製品も増えるなど二極化が進んでいます。充実したラインアップの中から最適な製品を選びたいという、ユーザー企業の意欲は根強いようです。
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「パスワード」への不安が目立つ 新技術への期待も
セキュリティ事件、事故に関連したキーワードにも注目が集まりました。4位に入った「パスワード」がその代表例です。既知のID/パスワードのリストを利用して会員制サイトへの不正ログインを試みる「アカウントリスト型攻撃」が相次ぐ中、パスワード管理の限界を指摘する声が高まりつつあります。とはいえ、パスワード認証の仕組み自体をすぐに無くすのは現実的ではなく、効率的かつ効果的なパスワード管理をいかに実現するかに知恵を絞る企業は少なくありません。
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6位の「GOM Player」を取り巻くセキュリティ事件も大きな関心を集めました。この事件では、韓国GRETECHの無料動画再生ソフトウェアであるGOM Playerのアップデートサーバが不正アクセスを受け、アップデートプログラムを装ったマルウェアをユーザーへ配布してしまいました。TechTargetジャパンでは、この“GOM Player事件”はどのように起こったのか、企業が取るべき対策とは何かを連載「“Baiduショック”で見直す『アプリ管理』」で解説しました。
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新旧のセキュリティ製品に注目
セキュリティ対策に役立つセキュリティ製品/技術も数多く検索されました。6位の「ファイアウォール」、7位の「HDD暗号化」といった伝統的なセキュリティ製品/技術に加え、8位の「IDaaS(ID as a Service)」、10位の「サンドボックス」といった新顔も注目を集めました。
IDaaSはID管理機能をネットワーク経由で提供するサービス、サンドボックスは仮想環境を利用し、実環境に影響を与えずに未知のマルウェアを見つけ出す技術のことです。特にサンドボックスは、未知のマルウェアが利用されるケースがある標的型攻撃対策としてベンダーが訴求しており、2015年も引き続き注目されると考えられます。
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