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AWS、Azure、Google――クラウド“ビッグスリー”比較表で分かる本当の勝者何をどのような条件で比べるか

「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」「Google Compute Engine」を比較した際、トップに立つのはどのクラウドか。答えは何を比べるかによる。

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主要サービス比較《クリックで拡大》

 パブリッククラウドの利用を検討している企業は多くの場合、まず料金の比較から始める。現在のクラウド料金は「Cloud Vertical」や「Cloudorado」といったWebサイトで比較できるが、料金や性能、機能、適合性を調べるためには、単純に下がり続けるインスタンス料金に目を向けるだけでなく、もっと複雑なモデルが必要だ。クラウドサービスの「ビッグスリー」、すなわち「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Compute Engine」(GCE)に関して言えば、最もコスト効率が高いプラットフォームと最も料金が安いプラットフォームは必ずしも一致するとは限らない。

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 Cloudoradoでは企業が必要条件を入力すると、パブリッククラウドとマネージドサービスプロバイダーの料金を比較できる。AWSとAzureとGCEのストレージ料金を比較した場合、1Tバイト当たりの料金はGCEが最も安い(表1)。

表1 主要3サービスを比較
サービス名 インスタンス RAM HDD CPU インスタンス別CPU量 価格
GCE f1-micro 615Mバイト 1000Gバイト 1vCPU 〜0.5ECU $46.05
Azure Basic A0 768Mバイト 20Gバイト+980Gバイト 1vCPU 〜0.95ECU $61.96
AWS EC2 Micro t1.micro+1000GバイトEBS 613Mバイト 1000Gバイト 1vCPU 〜0.5ECU $64.40

 だがこれは筋書きの1つにすぎない。検索条件を変更してコンピューティング指向の強いインスタンス、あるいはWindowsやLinuxインスタンスを探すと、ベストの料金を提供するパブリッククラウドサービスは変化する。メモリ、ストレージ、CPUを最大値にして、オートスケーリング機能を提供しているクラウドサービスプロバイダーに絞り込むと、候補として6社のパブリッククラウドが表示される(図1)。この図を見ると、料金ではGCEがトップでAzureは次点、AWSはAzureより下に来る。


図1 条件を指定して6社の料金を比較《クリックで拡大》

 料金は1つの側面ではあるが、誤解を生じさせることもある。料金よりも重要なのは、会社が必要とする条件を満たすパブリッククラウドプラットフォームを見つけることだ。セキュリティサービス、ガバナンスサービス、ポイント・オブ・プレゼンス(POP)サービス、管理サービスといった要因も検討する必要がある。

 どのパブリッククラウドが適切かを判断する最善の方法は、自社のニーズを理解してリストアップし、それに最もかなったクラウドサービスを見極めることだ。クラウドを総合的に選定し、ニーズに関する事前診断を確実に行う必要がある。コストに目を向けるのはそれからだ。分析に当たってはセキュリティ、事業継続、ネットワーキングコストと転送コストも必ず対象に含めなければならない。多くの場合、そうしたサービスには追加料金が掛かる。

他社と比較したAWSの強み

 では、AWS対Azure対GCEの比較で勝利するのはどのサービスか。AWSの強みは料金にあるわけではない。他社サービスの料金も参考にはしているが、AWSの方が機能やオプションが多く、つまりより多くの企業のニーズに対応できる。料金を2次的要因とすると、大抵はAWSが勝利する。

 だが、AzureとGCEも機能やサービスを増やしつつあり、向こう3年の間にAWS対Azure対GCEの競争は、料金だけでなくイノベーションやサービスを巡ってさらに激しくなりそうだ。

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