5年後には250億個の「モノ」がつながる
5年後に「IoT」で成功するための条件と懸念点(1/3 ページ)
あらゆるデバイスがインターネットに接続され、消費者の好みや行動に関するデータを絶えず送信できるという世界が近づいている。それにより変化するマーケティングとIoTのリスクについて考える。
企業にとって、顧客の好みや行動に関するデータは宝の山だ。これらの貴重な情報は企業の競争優位の源泉になる。顧客の獲得と維持に役立ち、それが収益の拡大につながるからだ。しかしこれまで、こうしたデータの多くはIT企業しか利用することができなかった。
ITに強い企業と比べると、ITに疎い企業はこの膨大なデータのほんの一部しか利用できないのが現状だ。「これらの従来型企業は、顧客が記入した保証書、小売店のPOS(販売時点情報管理)データ、一部の顧客を対象としたフォーカスグループ、あるいは顧客からの苦情などの情報に頼るしかなかった」と指摘するのは、クラウドプラットフォームを提供する米Xivelyのマーケティング担当 副社長 マット・ダフィー氏だ。「こうしたデータには大した情報価値はない。逆に、顧客サービスの改善や販売促進の取り組みで盲点を生み出す恐れもある」(ダフィー氏)
だが状況は急速に変化しつつある。
ほとんどあらゆるモノが、モバイル端末、低電力センサー、ビーコンあるいはRFID(無線ICタグ)チップ経由でインターネットあるいは社内ネットワークに接続できるという世界を想像していただきたい。この世界では、一般消費者や企業のデバイスから、インターネットを通じてデータが絶えず送信され、これらのデータを製品およびサービス開発や改良に役立てることができる。
こうした「モノのインターネット(IoT)」の世界は、既に一部の消費者の間で現実となっている。例えば下記のような活用が既に存在する。
- 保険会社に自動車から運転データを送信することで低い保険料が適用される米Progressive Insuranceの「Snapshot」というサービス
- 米Fitbitの「Fitbit」などのフィットネストラッカー
- 米Nestが提供する接続型ホームモニタリング
- 米Disneyの「MagicBand」などのRFID方式のトラッキングリストバンド
- ジオロケーション(位置情報)に基づいてパーソナライズされたメッセージをユーザーのスマートフォンに送信するストアビーコン
その他に製造業や医療分野、政府機関などでもIoTが利用されている。
業界観測筋は、IoTが本格的に普及するとみている。米調査会社Gartnerの予測によると、2015年末までに49億個の「モノ」が接続され、2020年までには250億個が接続される見込みだ。米eMarketer.comでは、2015年末までに19億人がスマートフォンを保有すると予測している。IoTに関しては話題が先行しているきらいもある。だが、IoTによるコネクテッドワールドの到来が急速に近づいていることは間違いなく、この状況が企業のマーケティングやCRM(顧客関係管理)戦略にどんな影響を及ぼすのかを検討すべき時期が来たようだ。
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