ビジネスを左右する重要な決定
ソフトウェアの“更新と置き換え”問題、CFOが着目すべきポイントとは(1/2 ページ)
多くの企業のCFOは、ソフトウェアシステムを更新すべきか、置き換えるべきかをどのように決定しているのだろうか。また決めるときにどのような情報を集めればいいのだろうか。
最高財務責任者(CFO)は、ソフトウェアシステムを更新すべきか、置き換えるべきかを決定する際に、投資対効果(ROI)の測定基準と投資対効果検討書以外のものにも目を向けている。今日、CFOはビジネス機能も考慮するようになっている。ビジネス機能には、意思決定を迅速化にしたり、顧客のニーズを満たしたりする機能も含まれる。MIT Sloan Center for Information System Researchでエグゼクティブディレクターを務めるレスリー・オーエンズ氏は、2016年11月に開催された「MIT Sloan CFO Summit」で「それは大きな変化だ」と語っている。
オーエンズ氏は、ソフトウェアを更新するか、置き換えるかを同社の財務担当役員と技術担当役員に問う会議の司会を務めた。Harvard Business Reviewのある記事で、組織におけるスキルや能力、専門知識、技術を組み合わせたものを「ビジネス機能」と定義している。オーエンズ氏たちは、ビジネス機能が、仕事の遂行方法だけでなく、自社の戦略や将来の計画に対する経営幹部の考え方も変化させていることを明らかにした。
Vistaprintブランドを主力製品として展開するマーケティング商品とプロモーション商品のEコマースプロバイダーであるCimpressで取締役副社長とCFOを兼務するショーン・クイン氏は、「以前、当社は短期の収益性指標に重点を置いていた」と述べている。
同社でITを管理するクイン氏によると、策定が済んだ資本配分計画は変更することができなかったという。そのため、技術投資をするには、スプレッドシートにデータを落とし込んで、承認前に定量化できる投資対効果検討書が必要だった。
「私は長い年月をかけて学んだことが2つある。1つはスプレッドシートのデータには往々にして間違いが見られること。もう1つは単純に数値化できないものが多いということだ」とクイン氏は語る。その結果、Cimpressは資本配分プロセスを見直して、もう少し融通が効くようにした。「現在、資本配分計画について考えるときは、1年を通してかなり厳密なプロセスを踏んでいる。より大まかな資産配分の指針を決めて、その範囲内であれば年の途中でも方向転換をできるようになっている」とクイン氏は話す。
これはCimpressで柔軟性の優先度がどのように高くなったかを示す良い例で、同社のインフラに関する決定にも影響を与えている。今日、Cimpressはマイクロサービスが欠かせないものとなっており、幾つかの機能をクラウドに移行しているとクイン氏はいう。マイクロサービスとは、単一のビジネスプロセスのために構築されたアプリケーションで、必要なときに、簡単に微調整をすることができる。クイン氏は同社の金融部門が現在使用している2つのクラウドベースのポイントソリューションとして、Coupa Softwareの支出管理ソフトウェアとWorkivaのSEC(米国証券取引委員会)ファイリングソフトウェアを挙げている。
「ある時点で、何らかの判断を下さなければならない」とクイン氏は話す。「例えば、Vistaprintブランドで製品のラインアップ拡大が新たな価値を生み出して、それを顧客から求められていた場合、取るべきビジネス戦略は製品ラインアップをすぐに拡大することだ。この目標を達成するために技術基盤を変更するには、何をどうする必要があるだろうか」(クイン氏)
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