IT部門のChrome採用を後押しするか
「Edge」「IE」離れを本気で狙うGoogleの「Chrome Enterprise Bundle」とは?(1/2 ページ)
Googleの「Chrome Enterprise Bundle」は、同社のWebブラウザ「Chrome」をIT部門が管理する助けになる。組織が「Microsoft Edge」「Internet Explorer」(IE)から離れる1つの理由になりそうだ。
Googleの組織向けツール群「Chrome Enterprise Bundle」は、組織が選択できる安全性の高いWebブラウザの候補として、同社のWebブラウザ「Chrome」を位置付ける。エンドユーザーには歓迎され、IT部門にとっては管理が容易になる。
2017年5月にGoogleがリリースしたChrome Enterprise Bundleは、Chrome本体と、Chromeのビジネス用途向けツールをダウンロード可能にするパッケージだ。IT管理者はChrome Enterprise Bundleを利用することで、Chromeに対して200種類以上のポリシーを適用できるようになる。例えばWebサイトのブラックリスト化やコンテンツフィルタリング、2段階認証といった機能を有効化することが可能だ。組織に対してChromeを管理しやすくして、Microsoftの「Microsoft Edge」(以下、Edge)や「Internet Explorer」(以下、IE)といった、組織でよく利用されているWebブラウザからの離脱を進めたい考えだ。
どんなWebブラウザであれ、その管理はエンドユーザーの行動をコントロールする上で重要な役割を果たす。「エンドユーザーがダウンロードできる機能や行動追跡機能を無効にできる意味は大きい」。発達障害者を支援するTri-Counties Regional Centerの最高技術責任者(CIO)、ドミニク・ナムナス氏はそう語る。
Google対Microsoftのブラウザ戦争
Web調査会社Net Applicationsのインターネットシェア調査「NetMarketShare」によると、Chromeはコンシューマーの間で最も人気が高い。2017年5月の全デスクトップ向けWebブラウザに占めるChromeのシェアは、最も高い59.36%だった。IEの17.55%、Mozilla Foundation「Mozilla Firefox」の11.98%、Edgeの5.63%、Apple「Safari」の3.56%を引き離した。Chromeはモバイルデバイス市場でのシェアも54.15%と、最も人気が高い。
Technology Business Researchのアナリスト、ジャック・ナルコッタ氏によると、組織はChromeではなく、セキュリティや管理性を理由にEdgeやIEを選ぶ傾向が強い。
Edgeは2015年7月、Microsoftの最新OS「Windows 10」のデフォルトWebブラウザとして登場し、セキュリティ水準は比較的高いと考えられている。セキュリティ機能の充実度がその背景にあり、生体認証を使ったログオンを可能にする「Windows Hello」、フィッシング詐欺を防止する「SmartScreenフィルター」などを備える。
一方でITプロフェッショナルはEdgeに関して、フリーズや起動の際の不具合に加え、旧バージョンのIEといったレガシーブラウザでの起動を前提とした、レガシーWebアプリケーションの一部が実行できないなどの問題に見舞われてきた。
ITコンサルティング会社Five Nines IT Solutionsの社長兼最高経営責任者(CEO)、ダグラス・グロスフィールド氏は「Microsoftは、Windows 10の大型アップデート『Windows 10 Creators Update』でEdgeを相当改善した」と認めつつも、「Edgeの“確立”までには到底至っていない」と語る。
例えばTri-Counties Regional Centerは、設定を維持できないことを理由にEdgeの使用を見送った。エンドユーザーが設定を変更したとしても、MicrosoftがEdgeやOSを更新すると、初期設定に戻ってしまう場合があるという。そうなると、更新後にエンドユーザーが設定をやり直す手間が発生してしまう。「もしMicrosoftが何かを更新すると、機能を停止してしまう場合がある。設定を維持できる方法を確立できないこと自体、ばかげている」と話す。ナムナス氏はEdgeのキャッシュの影響で、起動に影響が出る可能性も指摘する。
Tri-Counties Regional Centerは、Windows 10ではEdgeの代わりにChromeを利用している。だが現時点ではChromeを管理する手段がなく、Webの脅威からの防御についてはエンドユーザーの教育で対処している。「大多数のマルウェアとの接点になるのがWebブラウザだ。もしWebブラウザを守ることができれば、正しい方向に向けた大きな1歩になる」(グロスフィールド氏)
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