徹底比較:オールフラッシュストレージシステム8社 自社とベストマッチは?:Dell EMCやHPE、IBMなどの主要製品をピックアップ(1/3 ページ)
大手ベンダー8社の主要なオールフラッシュアレイ製品を取り上げ、機能や性能を詳しく紹介する。どの構成が自社のニーズに最も合うだろうか。
全ての容量をフラッシュストレージでまかなうストレージアレイ(ストレージシステム)である「オールフラッシュアレイ」は、企業にさまざまなメリットを提供する。HDDベースのストレージアレイと比べて電力および冷却要件が低いことによるTCO(総保有コスト)の低減や、パフォーマンスの向上などだ。主要なオールフラッシュアレイベンダーは、個々の企業のストレージニーズに対処するため、さまざまな購入オプションを提供している。
本稿では、以下に示す大手オールフラッシュアレイベンダー8社の製品を見ていく。
- Dell EMC
- Hitachi Data Systems
- Hewlett Packard Enterprise
- IBM
- Kaminario
- NetApp
- Pure Storage
- Tegile Systems
注意していただきたいのは、全てのオールフラッシュアレイベンダーが圧縮機能や重複排除機能を提供するわけではないことだ。これらの技術を組み合わせると、データを大幅に縮小できることがある。例えば大量の仮想マシン(VM)を運用しているシステムで、各VMのイメージデータのうち大半が重複している場合が、それに該当する。一方で暗号化した圧縮動画ファイルは、重複排除や圧縮の効果が現れにくいこともある。
ストレージアレイ全体の動作を制御する「コントローラー」やノード(ストレージ)は、インタフェースに選択肢があることが多い。例えば8ポートの10ギガビットイーサネット(GbE)アダプター、8ポートのファイバーチャネル(FC)アダプター、16ポートの1GbEボードなどだ。こうしたストレージアレイの多くは、スケールアウトもスケールアップも可能だ。スケールアウトは、単体のコントローラーやコントローラーのペアに、ストレージシェルフ(エンクロージャ)を追加することで実現できる。スケールアップは、コントローラーとストレージのペアを追加し、これらのペアで構成するクラスタを拡張することで実現できる。
一部のストレージアレイでは、コントローラーペアに追加できるストレージシェルフの数や、クラスタ内のノードの数に制限がある。推奨構成があるストレージアレイや、特段の制限がないストレージアレイもある。これらの場合、ノードの最大数や最大容量を示していない場合がある。
多くのストレージシャシーは、複数のインタフェースカードを装着できる。例えば40GbEポート2基、10GbEポート4基、1GbEポート12基、32GbpsのFCポート2基、16GbpsのFCポート4基、2/4/8GbpsのFCポート8基をそれぞれ搭載するカードなどを装着可能だ。1つのシャシーで使える総ポート数は2〜128程度である。
では、大手ベンダー各社のオールフラッシュアレイ製品を見ていこう。
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Dell EMC
Dell EMCは「Dell EMC Isilon」「同XtremIO」「同VMAX」「同Unity」の4シリーズのオールフラッシュアレイを提供している。「Dell EMC Isilon F800」は、Isilonファミリーのスケールアウト型NAS(ネットワーク接続型ストレージ)だ。シャシー当たりの物理容量は96〜924TBで、ファイル共有プロトコルの「SMB」「NFS」が利用できる。シャシー当たりのノード数は4台で、最大36台のシャシーで144ノードクラスタを構成できる。ハイブリッドモデルも用意する。
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