30秒以上の時間がかかるAPIには向いていない
「サーバレス型API」の導入が企業のイノベーションを促す理由(1/2 ページ)
サーバレスフレームワークにAPIを導入することが、ビジネスの成長を加速し、革新的なサービスを提供することにつながる。同時に開発者の負担も減り、ITコストが削減されるという。
シンデレラのガラスの靴のように、サーバレス環境での開発(サーバレスコンピューティング)は全てのソフトウェア開発にぴったりと合うわけではない。だが、適切なアプリケーションにはこの上のない機会をもたらす。
より多くの顧客に対応し、ビジネスを成長させ、新しく革新的な方法でユーザーを満足させようとする企業は多い。サーバレスコンピューティングは、こうした企業にコードとAPIの導入オプションを提供する。サーバレスが提供する導入基盤は極めて強固で、情報を失うことなく、信頼性と一貫性のある結果をもたらすことを保証する。こう話すのはGartnerのアナリスト、マーティン・レイノルズ氏だ。
ソフトウェアの専門家であるクリス・モイヤー氏にとっては、サーバレスの仕組み(サーバレスフレームワーク)を使ってAPIを構築し、導入することが優れた手段になる。そうすることで、クライアント側のAPIが軽量になり、クラウドでの拡張性が高くなる。また、セキュリティの確保が容易になり、コストも下がる。
モイヤー氏はCannabiz Mediaで最高技術責任者(CTO)を務める。同社は大麻の取り扱いが許可された人物(ライセンス保有者)の追跡と調査をしている。同氏は、素早く要求に応答することを義務付けられている職務に適したものとして、サーバレスAPIを選んだ。
モイヤー氏は、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)インスタンスにもう1つ別のCannabiz MediaのAPIを導入することにした。「これは2時間程度の比較的長い時間がかかるバックエンドタスクを実行するためだ。これに対して、5分ほどのタスクにはサーバレスAPIを使用する」とモイヤー氏は話している。同氏は、ソーシャルメディアとブログを集約するサービスを提供するACI Information Groupのバイスプレジデントも務めている。
モイヤー氏はこの話を参考にして「全てをサーバレスに詰め込もうとしてはならない。たが、それが合理的な場合は常にサーバレスのメリットを生かすべきだ」と語る。
サーバレスフレームワークにAPIを導入することで、企業はビジネスとDevOpsプロセスの両方にメリットを得ることができる。
「ただ機能させるだけでよい」
サーバレスとは、何よりもまず、コードを素早く導入するために設計された開発者のツールだ。コンサルティング会社Hurwitz & AssociatesでCEOを務めるジューディス・フルビッツ氏は述べる。「よく知っているツールを使用してコードを開発し、セットアップ不要のサーバレスフレームワークに導入する。開発者はフレームワークの仕組みを把握する必要はない。ただ機能させるだけだ」
Gartnerのレイノルド氏によると、サーバレスAPIを企業の既存の機器構成(アーキテクチャ)に適合させる必要はないという。実際のところ、サーバレスAPIの導入ではサーバレスアーキテクチャの構築も必要ない。それどころか、ほとんどの開発者はサーバレスフレームワークと呼ばれるパッケージ化された軽量のツールセットを使用してAPIを導入している。
「サーバレスAPIはアーキテクチャにもフレームワークにも中立だ。サーバレスAPIは呼び出される小さな機能にすぎない。アプリケーションアーキテクチャの一部であり、サーバレスフレームワーク内で実行される」とレイノルド氏は話す。サーバレスAPIを選ぶ際にはサイズと機能が重要な基準になる。
「APIが小さく、一定の時間に行うことを伝えるなど、バックエンドシステムを呼び出すためだけに構築されているのであれば、サーバレスに導入する意味がある」と同氏はいう。
コンテンツマーケティングを担うFixate IOのアナリスト兼開発者を努めるザッカリー・フラワー氏は、長時間実行されるプロセスや複雑なプロセスに対して、サーバレスフレームワークの導入を避けている。「システムの健全性を保つためには、シンプルな関数形式に抽象化できるAPIの利用が重要だ」とフラワー氏は話す。
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