企業利用も本格化
ARスマートグラス製品紹介 Microsoft HoloLens、Epson Moverioなどの特徴は?(1/2 ページ)
拡張現実(AR)スマートグラスを受け入れる準備は整っているだろうか。スマートグラス技術は向上し続け、通常のメガネのような形状になってきた。市場で受け入れられる日も近そうだ。
スマートグラスのウォークスルー技術を利用して建築物の設計を確認し、そのデザインをどのように変更したいかを検討する場合を想像すれば分かりやすいだろう。この技術を使用すれば、その時間を大幅に短縮し、コストを抑え、フラストレーションを減らすことができる。これは、AR技術を利用したスマートグラスによって実現できる世界のほんの一例にすぎない。
「何十億ドルもの資金がこの技術に投資されており、過去12カ月でスマートグラスのサイズや重量、デザインは大きく改善されてきた」と、市場調査会社のCCS Insightで上級アナリストを務めるジョージ・ジジアシュヴィリ氏は語る。同氏の専門はウェアラブル端末や拡張現実(AR)、仮想現実(VR)だ。
併せて読みたいお薦め記事
ウェアラブルデバイスの現在
職場にやってきた新たなテクノロジー
これまでのところ、スマートグラスの導入率は残念なほど低いが、この技術をいかにして仕事に応用できるかを評価するに際し、大半の企業がわずか2、3部門でしかスマートグラスを試用していない現状においてさえ、ジジアシュヴィリ氏は「この技術がポテンシャルを秘めていることは間違いない」と断言する。
現在、企業は主にデザインや製造、遠隔地の現場で働く従業員向けにスマートグラスを利用している。そういった中で、どのスマートグラス技術が企業に最も人気があるのだろうか。
IDCリサーチディレクターのラモン・リャマス氏は「あらゆる企業が注目しているのが、Microsoft HoloLensだ。しかし、覚えておかなければならないのは、他にも優れたARソリューションがあるということだ。企業から大きな注目を集めているEpsonの製品モデルがMoverioと呼ばれるラインだ。さらには、Vuzixというものもあり、これは業務用保護メガネに付加機能を付与し、グーグルグラスのような体験を提供するようにしたものだ。他には、企業向けグーグルグラス、ODG、Realware、Daqriなどがある」と述べる。
AR技術を利用したスマートグラスは多くのメリットをもたらす。「幾つかの情報を画面上に表示する必要があったり、『自分が見ている景色を見てもらう』体験を実現したかったりする場合もあるだろう。何らかの簡単な説明を見たいときに利用できれば素晴らしいことだ。これらの理由から、われわれはVuzixやGoogle、ODGといった、市場に進出している企業に注目している」(リャマス氏)
例えば、もし十分な機能の備わった3次元のレンダリングエンジンを搭載したものが欲しい場合には、Microsoft HoloLensやその他幾つかのスマートグラスが役立つ。しかし、それらは3000ドル以上のコストがかかる。しかも、ソフトウェアは別途購入しなければならない。Epson Moverioなら、もう少し値段は手頃だ。「1000ドルで入手でき、必要な情報を全て取得でき、何も手に持たなくてもツールやマシンを操作できる」とリャマス氏は付け加えた。
スマートグラスの「スマート」を支える技術
ARを体験するには高速なプロセッサが必要だ。「目で部屋の中を見回し、テーブル上の仮想の物体を見ようとしたとき、スマートグラスはその使用者が移動している空間や面積、速度を把握するための何百万個ものデータポイントを処理しており、スマートグラスがスムーズに動作するようにしている」とリャマス氏は説明する。誰しもスマートグラスを利用することで悪い気分に陥りたくない。そのため、これらの計算処理全てを数秒で処理でき、必要な画像やデータを滑らかに、かつ、はっきりと見えるように表示し、クリアな視界を実現できる強固なプロセッサが必要だ。だがこれは、非常に難しい注文だ。
このディスプレイはまた、スマートグラスにとって極めて重要であり、画像を十分にはっきり鮮明に映し出す必要がある。快適に利用できることも同様に重要だ。スマートグラスを何時間も継続して着用したり、仕事の間中ずっと着用したりするつもりの場合、「6時間程度で停止してしまっては意味がない。そのため、ほとんどの企業は少なくとも9~10時間のバッテリー駆動時間を確保する製品を開発しようとしている」(リャマス氏)。
ハンドトラッキングやインタラクション操作が実用化され始めているが、この領域で他社に先んじて素早い動きを見せている企業もある。この領域ではMicrosoftが目立っている。「この素晴らしい仕事をしてくれたワシントンのレッドモンドの人たちに敬意を表する。他の企業はスマートグラスを受け入れるかどうかの判断を据え置いている。概念実証が実現するまでは2、3年を要するかもしれない。待ちさえすれば投資額を抑えることができるのだから、今すぐ大量の投資をしたい企業はない」(リャマス氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
ソフトウェア開発生産性向上に取り組む企業は4割 調査で学ぶ「停滞」の正体
-
3
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
4
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
5
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
2035年までに1億4500万台、急拡大する「フィジカルAI」市場の勝者は誰か
-
10
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー