パフォーマンスをいかに高めるか
仮想デスクトップ(VDI、DaaS)を成功させるヒント IT担当者が得た教訓は?
仮想デスクトップの導入を成功につなげるのは決して簡単ではない。「VMworld 2018」のパネルディスカッションで、仮想デスクトップ導入の経験から得た知見をIT担当者たちが語った。
仮想デスクトップは正しく導入できれば大きなメリットが得られるが、それを実現するのはそれほど単純ではない。
VMwareが主催するイベント「VMworld 2018」のセッションで、仮想デスクトップの運用に関して、仮想デスクトップの専門家3人がさまざまな点について意見交換した。3人のうち、オンプレミスの仮想デスクトップインフラ(VDI)を利用しているのは、家具や電化製品のレンタル事業を手掛けるRent-A-CenterのVDIエンジニアであるアレックス・ロドリゲス氏と、医療保険システム事業を手掛けるGeisinger Health Systemで、エンドユーザーコンピューティングを担当するダニエル・トーマス氏の2人。掘削業界向けデータ収集会社のMcCoy GlobalでITインフラマネジャーを務めるデイビッド・ケンダル氏は、「VMware Horizon Cloud」を利用し、DaaS(Desktop as a Service)を運用している。
この3人が、仮想デスクトップを運用する過程から得た教訓やメリットのほか、ユーザーエクスペリエンスの重要性などについて語った。
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スマートフォンでデスクトップ仮想化
仮想デスクトップの利点
仮想デスクトップはさまざまな形でITチームの仕事を効率化する。Rent-A-Centerではアプリケーションの導入が迅速になった。
Geisinger Health Systemは約180カ所の医療機関をグループ内に抱えている。同社にとって最も重要だったのは、管理手法をデバイス中心からユーザー中心に変えることだった。VDIの導入前は、OS移行時にIT担当者がいつもデバイスごとにデスクトップイメージを作り直す必要があった。問題が発生した場合は、IT担当者が直接現場に赴き、問題を解決しなければならなかった。VDIを導入したことで、デスクトップの問題はリモートで解決できるようになった。トーマス氏が率いるチームは「Windows 7」から「Windows 10」への移行による大きなメリットを実感している。
「デスクトップのサポート担当者の移動時間と業務時間外に現場に向かう頻度を考えると、数十万ドルの節約になる」(トーマス氏)
McCoy GlobalはDaaSを選択したことで、IT部門がバックエンドインフラを管理する必要がなくなり、さらなるメリットを得たという。
McCoy Globalのケンダル氏は同セッションで次のように語った。「デスクトップイメージを作成し、デスクトッププールを管理する際は、シンプルで優れたWebベースのインタフェースを管理するだけでいい。それ以外はVMwareに知らせれば対処してくれる」
医療機関のAnchorage Neighborhood Health Centerでシステム管理者を務めるマイケル・レーン氏は、VMwareのVDIの試験運用を終えたばかりだ。同氏は、VDIの主なメリットは標準化だと考えている。
レーン氏はインタビューで次のように答えた。「このハードウェアの全てのエンドポイントとデスクトップをゴールドイメージ(マスターイメージ)で標準化したため、後はアプリケーションを追加するだけでいい。IT業務に時間が取られすぎて、患者に費やす時間が奪われてしまうことがなくなった」
ユーザーエクスペリエンスの重視
仮想デスクトップの導入を成功させるには、IT担当者は物理PCのパフォーマンスに負けないユーザーエクスペリエンスを提供しなければならない。
「接続の種類、シンクライアントやゼロクライアント、利用しているプロトコル、デスクトップ自体など、全てが速度などのパフォーマンスに影響する」とケンダル氏は指摘する。
「速度を上げる方法の一つは、複数のアプリを1つのアプリスタックに配置し、それらを一度に導入することだ」と、ロドリゲス氏は言う。このアプローチによってログイン時間が2分半から40秒に短縮される。
ユーザーに仮想デスクトップの環境をどのようにして受け渡すかも、この新しいテクノロジーに対するユーザーの反応に大きく影響する可能性がある。「Geisinger Health Systemでは物理的な作業環境と比較しながら、看護師に仮想デスクトップのメリットを示した」とトーマス氏は話す。
仮想デスクトップの導入から得た教訓
仮想デスクトップの運用全体のパフォーマンスにおいては、各エンドポイントが極めて重要になる。IT部門では、エンドポイントで実行するOSや、既存のエンドポイントを再利用するかどうかを検討する必要がある。
誰がどのアプリケーションを利用しているか、どの程度の頻度で何のために利用しているかなど、アプリケーションの構成を把握することも必要だ。例えば、Geisinger Health Systemでは3000台のPCにファイナンスアプリを導入したにもかかわらず、実際にそのアプリを利用していたのはわずか30人だった。
仮想デスクトップを導入する前に、デスクトップの処理能力を測ったりストレステストをしたりするなど、あらゆる点を確認しておくことが重要だ。この教訓は、McCoy Globalがストレージに関連する問題に直面したときに生まれた。
「初期段階で問題を発見したため、運用前に対処できた」(ケンダル氏)
レーン氏もテストの重要性に同意する。
「テストユーザーを参加させる前に、IT部門が可能な限りチーム内でテストを済ませておくべきだ。もう少しテストしていれば、他にも幾つかの問題が見つけられ、ユーザーの時間を無駄にすることはなかった」(レーン氏)
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