「AIOps」「チャットbot」「GPU」
2019年に注目すべきデータセンターの5大技術トレンド
データセンター管理者は2019年、管理業務やヘルプデスクなどのニーズに対応する手段として「AIOps」「チャットbot」「GPU」といった技術に目を向ける必要がある。
2019年は多くの組織がオープンソースソフトウェア(OSS)やIoT(モノのインターネット)デバイスの管理、AI(人工知能)の統合、機械学習などに投資するだろう。
こうしたデンターセンターのトレンドは、より反応が早く、自動化され、メンテナンスが容易なデータセンターを構築する助けとなり得る。
併せて読みたいお薦め記事
AIOpsは運用自動化の決定版となるか?
VDI管理にもAI化の波が来ている
オープンソースを取り込む業界大手
従来、ベンダー各社が独自のハードウェアとソフトウェアを顧客のために開発していたが、運用などの分野ではオープンソース製品が注目を集めている。OSSを使うことで、組織は必要とするプログラムの調達コストを引き下げられ、相互運用性は増す。コミュニティーの助けがあるおかげで、オープンソース製品は、ベンダーの独自システムに比べると組み合わせて使うことも容易だ。データセンター管理者は自分たちが必要とするソフトウェアを直接的に構成できるだろう。
2018年は2つの大型案件により、OSSへの投資増大が浮き彫りになった。
Microsoftは2018年6月、2800万の開発者が使うOSS開発基盤の「GitHub」を75億ドルで買収した。この買収で開発者と管理者の両方に、組織内でコードを管理や共有、調整するためのもっと簡単な手段を提供する。
IBMが2018年10月にRed Hatを340億ドルで買収したことは2018年で最大規模のオープンソース関連案件だろう。この買収の目的は、クラウド市場でIBMが勢力を強め、顧客のためのオープンソースクラウド対応を強化することにある。
「IBMがRed Hatに高値を付けたのは、レガシーアプリケーションへの依存を減らしつつある開発者やIT部門に近づくための新しいサービスを必要としたからだ」と調査会社Moor Insights & Strategyのデータセンター技術担当上級アナリスト、マシュー・キンボール氏はそう指摘した。
データセンター管理者は、データセンターで利用できるOSS、今後のシステム強化のために頼れるコミュニティーについて調査する必要がある。
データセンター業務を担うAI
メンテナンスを変化させる「データセンタートレンド」の1つがAI、特に「AIOps」(AIによるIT運用自動化)だ。AIOpsソフトウェアはビッグデータとAI、機械学習を組み合わせ、運用の監視と管理業務の合理化を図る。
こうしたツールはログファイルやヘルプデスクのチケット、監視ツールからデータを収集して業務がどのように実施されているのかを調べ、異常を特定し、例えば会社のネットワークに侵入しようとしている疑いのあるユーザーを特定して阻止するなど、さまざまなタスクについてどう処理するかを決定する。
ソフトウェアベンダーのCA Technologies、Loom Systems、ScienceLogicなどは、AIOpsの導入をシンプル化できるソフトウェアを設計している。調査会社Gartnerの予想では、そうしたツールの利用は今後3年間で増える見通しだ。同社によると大手IT部門のうち、現在AIOps基盤を使っているのはわずか5%だが、2022年までには40%に増えると予想している。
サーバマイクロプロセッサ、データセンタートレンドの筆頭に
ビッグデータやAI、機械学習といった新しいワークロードを導入する組織は、その処理のために新しい種類のハードウェアを必要とする。従来型のCPUを搭載したサーバでは、そうしたワークロードに簡単には対応できない。
GPUにも引き続き注目が集まっており、Googleは「Tensor Processing Unit」を開発した。2019年は、例えばARMベースのプロセッサのような、新しい大規模アプリケーション向けに設計された他の代替技術が浮上する見通しだ。つまり、ハードウェアの性能問題が浮上すれば、管理者は単にIntelベースのCPUだけでなく、複数種類のマイクロプロセッサのトラブルシューティングを迫られる。
知性を持つデバイス
企業はスマートセンサーのようなハードウェアの「デバイスとデータ収集」をネットワークの先端(エッジ)に分散できる。だがそうしたデバイスから中央のサーバにアラートが送信されることによって、ネットワークトラフィックが増大することは望まない。
Gartnerによると、ベンダー各社はAIやソフトウェアコントロール機能をハードウェアとソフトウェア製品に搭載し、そうしたフローの管理機能強化を図っている。データセンター担当者は、自律型デバイス同士のコラボレーションを管理し、ハードウェアを継続的に機能させなければならない。
エッジコンピューティングとつながるデバイスのインフラが増大する中で、管理者はネットワーク帯域幅の標準やソフトウェアについて研究し、適切な帯域幅と監視機能によって、自分たちの環境で効率的に全てのつながるデバイスがサポートできることを確認する必要がある。
ヘルプデスクのスマート化
ヘルプデスクソフトウェアは大幅な高度化が進み、そのプロセスはかつてない規模の自動化が進んでいる。AI、機械学習、自然言語処理といったデータセンタートレンドは、ユーザーの問題を認識し、考えられる解決策の選択肢を自動的に提示してくれる「チャットbot」プログラムのための基盤を構築している。
チャットbotはユーザーの初歩的な質問に答えるIT担当者の負担を軽減でき、その担当者はもっと複雑なサポート問題に割く時間を増やせる。2019年は、そうしたチャットbotが文字や視覚を頼りにユーザーのムードを認識し、それに合わせた対応ができるようにすることに、企業が力を入れるだろう。
そうしたアプリケーションは、ビデオストリーミングから特定の単語や表情を見つけ出し、提案の結果、どの程度うまく問題が解決できたかを判断する。もしユーザーがイライラした様子を見せれば、自動化されたシステムにそのユーザーの対応を継続させるのではなく、人間の担当者に振り分けられる。
最終的な目標は、データセンターサポート担当者のルーティン業務の負担を軽減しながら、ユーザーにもっと充実したカスタマーサービスを提供することだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[スパイスファクトリー株式会社] レガシーに消えるIT予算8割 「刷新か延命か」をAIと人で見極めるための手順 -
製品資料
[JetBrains s.r.o.] ソフトウェア開発は「コーディングエージェント」でどう変わるのか? -
事例
[テクバン株式会社] 太陽ホールディングスは国内外拠点の端末5000台をどう管理しているのか? -
事例
[株式会社キーエンス] PCが苦手でも自動化できる ポポラマーマなど4事例に学ぶ「ナビ搭載型RPA」活用 -
製品資料
[株式会社キーエンス] 自分ひとりでデスクワークを効率化 「AI&ナビ搭載RPA」で実践する業務自動化
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
2
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
3
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
4
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
5
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
6
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
7
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
8
「契約業務のAI活用」に関するアンケート
-
9
Synology NASで実現する映像統合管理とデータ活用の新常識
-
10
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
3
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
4
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
5
SCS評価制度時代の「SASE選定」ガイド
-
6
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
7
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
8
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー