「Azure VNet」とは? 「Microsoft Azure」の仮想ネットワークサービス:「Amazon VPC」と「Azure VNet」の違い【第3回】
「Microsoft Azure」の仮想ネットワークサービスである「Azure Virtual Network」(Azure VNet)は、どのようなサービスなのか。同サービスの主要な機能と特徴を説明する。
Microsoftの仮想ネットワークサービス「Azure Virtual Network」(Azure VNet)は、仮想マシンサービス「Azure Virtual Machines」をはじめとする同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」との相互接続に加え、各Azureサービスとオンプレミスネットワークとの接続や、インターネットとの接続も制御する。
Azure VNetで構築した仮想ネットワーク同士は、初期設定の状態では相互に分離された状態を保つ。ただし分離された仮想ネットワーク同士でも通信はできる。Azure VNetの仮想ネットワーク同士で相互通信するピアリング接続機能により、これらの仮想ネットワークはIPv4アドレスかIPv6アドレスを使って相互に通信できるようになる。
前回の「『Amazon VPC』は何に使えるのか? ネットワーク制御機能と監視機能を整理」に続く本稿は、Azure VNetの主要な機能を説明する。
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Azure VNetの基礎知識
Azure VNetには、主に以下の機能がある。
- インターネットやVPN(仮想プライベートネットワーク)を使ったAzureリソース(仮想マシンなど)同士の通信
- Azureリソース間の通信
- オンプレミスリソースとAzureリソース間の通信
- ネットワークトラフィックのフィルタリング
- ネットワークトラフィックのルーティング
- Azureサービスとオンプレミスリソースの連携
Amazon Web Servicesの仮想ネットワークサービス「Amazon Virtual Private Cloud」(Amazon VPC)と同様、Azure VNetはルーティングテーブルを使用して、ネットワークにおけるデータの流れを制御する。Azureは、カスタマイズ可能なルーティングテーブル(UDR:ユーザー定義ルート)を用意する。Microsoftの仮想ネットワークゲートウェイサービス「Azure VPN Gateway」により、Azure VNetの仮想ネットワークと他のネットワーク間のデータの流れをUDRで制御することも可能だ。
IT管理者は、ルーティングプロトコルの「BGP」(Border Gateway Protocol)でルーティングすれば、オンプレミスネットワークをAzure VPN Gatewayに接続できる。
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