サーバ向けプロセッサはさらに進化 Intelの第3世代、第4世代「Xeon」とは?:IntelとAMDのサーバ向けプロセッサの動向【前編】
IntelとAMDのサーバ向けプロセッサは企業向けの製品に幅広く使われている。Intelが発表した新世代「Xeon」を詳しく見てみよう。
IntelとAMD(Advanced Micro Devices)が競ってプロセッサの新たな計画を発表している。両社は2020年から2021年の間だけでもさまざまな新製品を打ち出している。今後のロードマップにある計画も豊富だ。
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プロセッサとは何か
Intelは2021年4月、サーバ向けプロセッサ「Xeon」の第3世代(開発コードネーム「Ice Lake」)を発表した。第3世代Xeonは、Intel製プロセッサの次世代アーキテクチャ「Sunny Cove」を採用している。Sunny Coveは、クライアントPC向けのプロセッサである「Core」の第10世代も採用したアーキテクチャだ。第3世代Xeonは、Intelの10ナノ製造プロセスの改良版である「10nm+」で製造している。
第3世代、第4世代Xeonの進化
Sunny Coveのアーキテクチャにおいては、Intelは以下の改善を図った。
- CPU間のデータ伝送をより高速にするインターコネクト「UPI」(Ultra Path Interconnect)の採用
- 分岐予測など前処理の役割を担うフロントエンドの大容量化
- メモリへのアクセスの遅延を抑える「TLB」(Translation Lookaside Buffer)の強化
- ミッドレベルキャッシュ(MLC、L2キャッシュとも呼ばれる)の大容量化
- 暗号化、圧縮、解凍処理の高速化
- バスインタフェース「PCI Express 4.0」準拠のソケット搭載
- メインメモリの暗号化機能「Total Memory Encryption」の搭載
開発コードネーム「Sapphire Rapids」の次世代Xeonについても、Intelは計画を公表している。オンラインイベント「Architecture Day 2020」における同社の発表によれば、Sapphire Rapidsでは「DDR5」のメインメモリ、バスインタフェース「PCI Express 5.0」、CPUとメモリのインターコネクト「Compute Express Link 1.1」などが利用できるようになる。Sapphire Rapidsの製造開始は、2022年1〜3月期になる見込みだ。
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