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“オワコン”化する定めの「RPA」――運命にあらがう戦いが始まるRPA市場の成長が鈍化する日【後編】

RPA大手ベンダーは生き残りをかけて、自らの存在を変えようとしているとアナリストはみる。RPA市場には、どのような変化が起こるのか。

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 「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)の市場は2025年までに220億ドル以上に成長すると、調査会社Forrester Researchは予測する。ただし同社は、いずれRPA市場は横ばいになるとみる。

 こうした中でRPAベンダー各社は、どのような打開策を見せるのか。RPA市場に詳しいForrester Researchのアナリスト、レスリー・ジョーゼフ氏に話を聞いた。

RPAは「真っ先に切り捨てられる」

―― 市場成長が横ばいになる中、Blue Prism、Automation Anywhere、UiPathといった大手RPAベンダーはどうなるのでしょうか。

ジョーゼフ氏 RPA市場に参入しているベンダーは皆、企業の自動化の目的が「差異化」や「変革」になり始めると、真っ先に切り捨てられるのが自分たちであることをよく分かっている。RPAは自動化技術の中では、極めて“はかない”技術だからだ。RPAを使って「永続性があり、長く使える仕組み」を構築している企業はそうない。大抵はRPAを“一時しのぎ”に使っているだけだ。

 RPA市場には、RPAと他の自動化技術との密接な連携によって、ビジネス全体の自動化を図る「オートメーションファブリック」への進化を進めようとする動きがある。UiPathはRPA市場をけん引するベンダーであり、この変革に巻き込まれている興味深い存在だ。同社はプロセスマイニングの企業を買収し、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を扱う企業を買収した。2019年10月のProcessGold International買収は記憶に新しい。

 単なるRPAベンダーから統合自動化技術のベンダーになり、今ではオートメーションファブリックのベンダーに変わろうとしているUiPathは、業界の変化を象徴する先導者だと言える。

―― RPA市場の成長が横ばいになる中で、スキルを持つ人材の必要性はさらに高まるのでしょうか。

ジョーゼフ氏 RPAは常にビジネスユーザーに使いやすく、誰でもコーディングできるツールだったかというと、実はそうではない。ソフトウェアロボットの作成には「C++」などのプログラミング言語の知識が必要だったりと、ある程度のスキルを要求していた。

 今ではRPAのソフトウェアロボットの作成は、よりシンプルになり、学習しやすくなっている。これは主にRPAベンダーがビジネスユーザーにとって、RPAをより使いやすいものにしようと懸命に努力した結果だ。これは当初に比べると大きな進歩だと言える。

 AI(人工知能)技術の分野では、AIモデルの構築に関心を寄せるデータサイエンティストがいる一方で、こうした専門的な知識に全く関心を持たないエンドユーザーもいる。エンドユーザーが望むのは「このAIモデルを使って意思決定をしたい」ということだけだ。

 近年、アプリケーションを作成する人々のタイプや種類は明確に進化している。その進化はRPAだけでなく、機械学習などのAI技術を含むアプリケーション開発者全般にわたって感じる。

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