COBOLをできるだけ楽にやめるための「2つの方法」とは?:COBOLのモダナイゼーションテクニック【第6回】
COBOLプログラムのモダナイゼーションは人手と時間を要する。効率的、効果的にモダナイゼーションを進めるための、2つの普遍的なアプローチを解説する。
プログラミング言語「COBOL」のレガシープログラムをモダナイゼーション(最新化)する方法は、さまざまだ。市場には作業の一部を自動で実行するツールもある。自動化ツールを導入するかどうかにかかわらず適用できる方法を使えば、COBOLプログラムのモダナイゼーションが楽になる可能性がある。どのような方法なのか。
方法1.モジュール式アプローチ
併せて読みたいお薦め記事
連載:COBOLのモダナイゼーションテクニック
- 第1回:COBOLをやめる“とんでもなく悪い方法”はこれだ
- 第2回:COBOLをやめる“大変だけど最善の方法”とは?
- 第3回:COBOLをJavaに変換してくれる「自動化ツール」とは?
- 第4回:“脱COBOL”に役立つ「ビジネスルール抽出」ツールの可能性と限界
- 第5回:“脱COBOL”を「自動化ツール」に頼り切ってはいけないのはなぜ?
COBOLプログラムからの脱却
レガシープログラムが機能ごとにモジュールとして分割されている場合、一部のモジュールをモダナイゼーションし、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して古いモジュールと新しいモジュールを連携させる選択肢がある。「この方法を使えば、モダナイゼーションの進行中であっても、プログラムを稼働させ続けることが可能だ」。調査会社Intellyxの創設者兼プレジデントであるジェイソン・ブルームバーグ氏はそう述べる。
こうした「モジュール式アプローチ」に適している例が、保険金請求処理プログラムだ。保険金請求処理プログラムは
- 請求処理
- 精算
- 保険の引き受け
といった複数の機能を備える。「モジュール式アプローチを使うことで、これらの機能を個別かつ一度にモダナイゼーションできる」とブルームバーグ氏は話す。
方法2.段階的アプローチ
モダナイゼーションツールベンダーEvolveWareのCEOであるミテン・マルファティア氏は、別の方法を提案する。それが「段階的アプローチ」だ。これは単体でモダナイゼーションを完遂するための方法というよりも、モダナイゼーションの足掛かりとして使用するものだという。具体的には、まずプログラムを小さなモジュールに分割して、現状を把握する。その上でモダナイゼーションの方向性を決め、プログラムを実装するという流れだ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.