商業Webサイトの「アクセス集中で何も売れない」問題を回避するには:Webサイト「クラッシュ」7つの原因【第5回】
自社Webサイトへのアクセス集中は企業にとってうれしいことだが、Webサイトのクラッシュを引き起こす可能性もある。アクセスが集中してもWebサイトの正しい表示を維持するには。
企業がセールを実施したりイベントを開催したりする際は、自社Webサイトへのアクセスが急増する可能性がある。一時的にアクセスが集中しても、Webサイトの表示トラブル「クラッシュ」が発生しないようにするためには、どうすればいいのか。
5.“売りたいのに売れない”を招く「アクセス集中」
併せて読みたいお薦め記事
連載:Webサイト「クラッシュ」7つの原因
- 第1回:いまさら聞けない「Webページがクラッシュしました」の“クラッシュ”って何?
- 第2回:Webサイトを良くするはずの「プラグイン」がなぜ“クラッシュ”を招くのか
- 第3回:「WordPress」でやりがちな“あのうっかり”がWebサイトのクラッシュを招く
- 第4回:「何も変更していないのにWebサイトがクラッシュ」 そのときの原因は?
知っておきたい、Webサイト運用の知識
企業のWebサイトは「アクセスしてもらう」ことが基本的な目的だ。アクセスが集中し過ぎることでWebサイトがクラッシュすれば、その目的が果たせなくなる。例えば2021年のサイバーマンデー(11月の祝日「感謝祭」の翌週月曜日に開催する、米国の大規模オンラインセール)のときは、オフィス用品大手Office DepotのWebサイトがクラッシュし、約3時間にわたって利用が不可能になった。他の小売企業のWebサイトもアクセス集中のため、つながりにくくなった。
Webサイトを稼働させるサーバは、同時に処理できるデータ量に上限がある。アクセスが急増すると、人数分の帯域幅(回線路容量)が確保できず、Webサイトがクラッシュしやすくなる。新製品の発売やイベントの登録受付開始、大規模セールといった際に注意が必要だ。
一般的に、企業が利用するクラウドサービスのプランによって帯域幅が決まる。企業は、アクセスが集中してもWebサイトがダウンしないように、十分な帯域幅があるプランを選ぶことが重要だ。プランの利用料金が安価であるほど、利用できる帯域幅が狭くなる可能性がある。
イベント開催やセール実施など、Webサイトへのアクセスの急増が発生しやすい場合は、拡張性に優れたクラウドサーバの利用を検討するとよい。クラウドサーバは、負荷分散のために複数のサーバにデータを分散させる。クラウドベンダーによっては、一時的なアクセス急増に備え、一定期間帯域幅を増やせるプランを用意していることがある。
アクセスが常に集中する場合には「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)を利用する方法がある。CDNはWebサイトのコピーを、世界中にある複数のサーバに保存する。Webサイトの訪問者に対し、最も近いサーバへのアクセスを可能にする仕組みだ。企業はCDNを利用すれば、メインのサーバの負荷を軽減し、Webサイトへのアクセスを安定させることができる。
第6回は、6つ目の原因を紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.