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大容量路線の「SSD」から「未来の技術」まで ストレージの進化がすごい増えるデータ、変わるストレージ技術【第6回】

SSDや磁気テープといった既存ストレージの技術開発に加えて、市場にはまだ存在しない次世代ストレージの開発まで、多様な動きがストレージ分野から出てきている。特に注目の動きやストレージをまとめて紹介する。

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 「SSD」でより大容量のデータを保管する試みや「磁気テープ」の復調、さらには現時点では市場に存在しない「新しいストレージ」の開発など、ストレージ分野では話の種が尽きない。データ量増加が続くこの先を見据えた、注目のストレージ技術は何なのか。

SSDは「QLC」のさらに先へ “未完の次世代ストレージ”も

 SSDの分野では、記録密度を向上させるために1つのメモリセルに複数bitを格納する試みが続いている。4bitを1つのメモリセルに記録する「クアッドレベルセル」(QLC)のSSD市場は着実に成長しており、その一方で5bitを1つのメモリセルに記録する「ペンタレベルセル」(PLC)のSSDの開発も進んでいる。

 容量を増やす試みとしては、メモリセルの積層数を増やす手法も注目点の一つだ。Micron Technologyは232層NAND型フラッシュメモリの出荷を2022年に開始。SK Hynixは、2023年前半に、238層NAND型フラッシュメモリの量産を開始する。

 SSDの帯域幅(データ転送容量)を向上させる試みとしては、インタフェース規格「PCI Express」(PCIe)と、ストレージプロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)の活用が鍵になる。PCIeのバージョンでは「PCI Express 5.0」(PCIe 5.0)に準拠するSSD製品が登場している他、2022年には「PCI Express 6.0」(PCIe 6.0)の仕様が確定した。

 SSDの利用や技術開発が進む一方で、磁気テープの需要が復活していることは興味深い動きだ。磁気テープの顕著な需要としては、長期保存するアーカイブデータの保管、ネットワークから切り離してデータを保管することでランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃による影響を受けにくくする対策などがある。

 磁気テープの規格「LTO」(リニアテープオープン)の第9世代となる「LTO-9」の製品が2021年に登場した。LTO-9の容量は非圧縮時で18TB、圧縮時で45TBとなる。IBMやHewlett Packard Enterprise(HPE)、QuantumといったストレージベンダーがLTO-9に準拠したストレージ製品を提供している。次世代の規格としては非圧縮時で36TB、圧縮時で90TBの容量を備える「LTO-10」の開発が進んでいる。

 SSDやHDD、磁気テープの技術開発が進む一方、世界のデータ量が急速に増大する中では既存のストレージ技術で今後の需要に応じ切れるかどうかが不明だ。そのためベンダーや研究者は、将来を見据えて新しいストレージの仕組みを模索している。例えば以下のストレージが開発段階にある。

  • DNAストレージ
    • DNA(デオキシリボ核酸)の配列を使ってデータを記録する
  • 5D光学ストレージ
    • レーザーを使って5次元(5G)構造のデータをガラスに書き込む
  • ホログラフィックデータストレージ(HDS)
    • ホログラフィー(立体像を記録する技術)によってデータを記録する

 将来的にこうした技術の実用性が実証される可能性はあるものの、それがいつになるのかに関する見通しはなく、最終的に実用化しない可能性もある。新しい技術開発の模索が進む間、ストレージベンダーは既存のストレージの限界に挑戦し続け、ユーザー企業は必要に応じて十分なストレージを確保できるかどうかをストレージベンダーに問うことになる。

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