モバイル通信は「4G」「5G」になって何が変わった?:“大成功した無線通信”の歴史と今後【第7回】
「3G」「4G」「5G」といったように、「世代」(G:Generation)で違いを表すモバイルネットワーク。世代を経るごとに、モバイルネットワークはどのように進化してきたのか。
「世代」(G:Generation)で違いを示すことに特徴があるモバイルネットワーク。「3G」(第3世代移動通信システム)から「4G」(第4世代移動通信システム)、さらに「5G」(第5世代移動通信システム)へと進化することで、モバイルネットワークはどう変わってきたのか。
「3G」から「4G」、さらに「5G」へと進化 それぞれの違いは
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連載:“大成功した無線通信”の歴史と今後
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2000年代後半から2010年代前半にかけて、通信事業者は3Gを進化させた「LTE」(Long Term Evolution)や、4Gのサービスを開始した。4Gのデータ伝送速度は、最大で100Mbpsから1Gbps程度が可能になった。
米国では2010年代にLTEや4Gのサービスが幅広く普及。企業の従業員は、在宅勤務時や出張時にいつでも、どこからでも仕事がしやすくなった。データ伝送速度として10Mbps以上が可能になったため、ビジネスに利用するネットワークとしてモバイルネットワークは合理的なWANの選択肢となった。
デバイスの多数同時接続や超低遅延化をはじめ、広範にわたるモバイルネットワークの性能改善を目的として、5Gの開発が進んだ。新世代になるたびにデータ伝送速度が向上する進化は5Gも踏襲しており、5Gは下り(携帯電話側の受信)の最大が10〜20Gbps程度に達することが可能だと想定されている。
5Gになることで、超高速かつ低遅延という特性を生かしてモバイルネットワークの用途は広がる。例えばeスポーツのようにリアルタイム性などの厳しい要件が求められる用途にも使える。自動車の自動運転の実現にも5Gが貢献する。
注目すべきは、5Gはデータ伝送速度の要件が高くない用途にも活用可能なことだ。例えば1秒間に100バイト以下の情報しか送らないセンサーの通信がある。この用途に使う場合、遅延の要求はそれほど重要ではなく、消費電力を極力抑える設計にすることが理想的だ。
次回(第8回)は、無線LANとモバイルネットワークの違いを紹介する。
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